人生が二度あれば

かつて勤めていた職場に、


「教師は私の天職だと思ってます。生まれ変わっても教師になると思います」
と、公言して憚らなかった方がおりましたのですが、


能力は元より、人間としてもイケてないところが多々おありの方でしたから、
「迷惑なだけだから、生まれ変わらないでくださいな」と、ボクは思っておりましたが、


阿諛追従と自己PRに熱心な方でしたから、その職場に定年まで二十年余り居座り続けることに成功して、
ぼんやりした、人を見る目のない管理職や同僚や生徒からは、「いい先生」と思われた人生だったのでありましょう。


一方で、ボクは、「どうして教師なんてものになったんだろな?」と、未だに思っております。


昨年も同じようなこと書いたよな気が致しますのですが、


我が職場、「体育祭」を控えて、「体育祭」と呼ばいながらその実、
身体能力を競い合う個人競技種目より以上に、団対抗のダンス合戦などがメインイベントとなっていて、
「アーチ」と称する、団を象徴するところの「立て看板」を拵えたりするものだから、


朝も早よから夜の遅まで、練習や、作成に余念がありません。


ここ数年、それを横目に、毎年思うのは、


公立の中学を経て公立高校に、今、自身が勤務しているような高校に進学していたら、
ボクは今、どんな人生を送ってたんだろな?


ということ。


貧乏人の小倅、無理せず、中学から六年一貫制の私立男子進学校などようのものに進学せずに、現任校のようなガッコの生徒だったら、


ボクは、わいわいやっている、彼彼女らのようにダンスに参加してたんだろか?
可愛いあの娘と一緒なら、参加していたのかしらん?


無頼気取って斜に構えた、理屈っぽい高校生になったのは、
勉強なんて二の次で、小説ばかり読むようになったのは、
中学から私立男子進学校などようのところに進学したからに他なりませず、


この歳になってまだ続けている、音楽だって、やっていたかどうだか……。


公立中学から公立高校に、男女共学校に進学していたら?
おなじ、私立男子進学校でも、別のガッコに進学していたら?


ということだけは、やり直せるものならやり直してみたいと思うのでした。


今の自分が、嫌いな訳じゃないですけど。


ね。