この国が好きだから、この国はヤだぞ

子ども達に日々、教育勅語を唱えさせ、
戦後日本の教育は大きな過ちを犯してきた。権利権利と自己主張ばかりが横行し情けない国になってしまった。
君たちは、お国のために粉骨砕身尽くすことのできる清く正しく美しい日本人になるんだよ。


という、恐ろしく偏向した教育を施している幼稚園を視察したオバサン、


素晴らしい。理想の教育がここにある!
小学校を開校するのなら、力になりますよ。と、お目々キラキラさせて名誉校長に就任し、夫に口添えした。


口添えされた夫も、「それは素敵だね」と、関係各所に根回しした。


根回しされた側は、「困ったな、イヤだな」と思った者もいたであろうに、拒否することなく「忖度」した。


が、その手口のインチキさが表沙汰になりかけると、
当該学園の経営者夫妻が、とんでもない詐欺師であったということにして、トカゲの尻尾切り。逮捕拘禁した。


交渉の経緯が記された文書の中で、自分たちに都合の悪い部分は改竄させた。
改竄を指示された者は、何が守りたかったのか、唯々諾々、その命に従った。


でも、結局、ばれちゃった。


というのが、今回のお話。


間違っているところ、どこにもないと思われる。


国の資産をそんな形で運用することそのものも大問題ですけれど、
本当に深刻なのは、疑う余地のない事実であり、おぞましいそのことは、


現政権の首相とその妻が、
教育勅語」を唱和させる幼稚園をこの国における理想の教育だと本気で考えている者どもであるということ。


国家(という名の権力者や有力者の資産)を守るため、ひとたび国難に直面した際には、
国民はみな、国家(という名の権力者や有力者の資産)のために身を捧げ、命を賭して、奉仕せねばならない。
と、本気で考えている者どもであるということ。


その流れの中で、政権党の「改憲」は謳われているということ。


憲法は、「国民主権基本的人権の尊重、平和主義」を基本原則として定めています。
現政権が、その三原則を、できればなきものにしたいと考えていることに疑いの余地はありません。


2022年から本格実施されようとしている新学習指導要領にも、その影は色濃く落とされています。
幼少時教育から、この国を彼彼女らにとって清く正しく美しい、その実、国民にとっては、暗く貧しく汚らわしい教育を施そう施したいと彼彼女らは考えています。


文部官僚たちも、その動きを知りながら(知らないわけないよね)、面と向かって抵抗するでなく、その細目を作り上げることに荷担しています。
諸大学の御用学者たちも、その動きに阿諛追従、揉み手しながら、メディアでの援護射撃に余念がありません。
教育現場でも、阿呆な連中は、新学習指導要領の意味を深く考えるでなく、新しい動きに適応しようせねばならぬと躍起になっています。


今回の事件、


こういう流れにブレーキをかける、絶好のチャンスなのですが、
まともな時代なら、もうとっくに内閣総辞職に追い込まれていても何の不思議もないことなのですけれど、


そうならないところが、今のこの国の闇の深さだと思うのですけれど、


もういい加減、みんなで、くだらない流れと動きに、ブレーキかけませんか?