傲慢な日本のあなた
この国に生まれて良かった。
とか、
日本人は素敵だ。
と、思うのは自由だし、そう思えることは幸せなことだと思います。
川端康成は、
「美しい日本の私」という表題で、
ノーベル文学賞受賞の講演を致しました。
けれど、
この国は(どこそこの国よりも)優れている。
とか、
日本人は(どの国民よりも)素敵だ。
などようの言説が、幅を利かせるようになってくると、
それは、他民族国家への蔑視や軽侮に直結していくわけで、
恥ずかしいことと思わねばなりません。
けれど、今、
アメリカの、珍妙な髪型をした、不格好な男は、
日々、「アメリカがナンバーワンなのだ」とほざきこき、息巻いている。
それが人として恥ずかしいことだと思っていないことが、何よりも恥ずかしい。
そんな、恥ずかしい男が頂点に立っている国が、地球上最大の国家であるということが、
この、今の世界の、最大の欠点であり欠陥なのでしょうけれど、
負けず劣らず、我が国も、
かなり恥ずかしいことを恥ずかしいと思わぬ人が増えてきて、
恥ずかしい連中が、恥ずかしいことを平気で叫んだり訴えたりするようになっている。
我が国の、もうひとりのノーベル文学賞受賞者である大江は、
「あいまいな日本の私」という表題で、授賞式の講演を致したのですけれど、
そのくらいの謙虚さがなければ、
平和とか自由というものを守り続けるのは難しいんじゃないかな?