文化が荒廃する時

40年ほど前、


かの筒井康隆が、スラプスティックの帝王として、傑作を次々に排出していた絶頂期、
高校生だったアタクシ、新作が出るたび、「くくかか」笑いながら読み倒していたのでしたが、


そんな彼の短編の中に、


今、題名が思い出せないのですが、
彼の文庫本の数々、実家の消滅と共に、この世から消え失せてしまったので、調べようにも調べようがないのですが、


近未来、文化の質が低下の一途を辿る中、マスメディアは荒廃、民度も著しく下がっていくというお話ございまして、


スポーツ紙や、サラリーマンが帰宅する電車の中で読むタブロイド紙に載っかてるような、
芸能関係関連のゴシップ、風俗産業関係関連の話題や宣伝広告が、
一般紙に掲載されるようになっていく世の中を描いていたのでありますが、


新聞を購読している家庭、減少の一途を辿っている中、
一般紙の朝刊に、ここんとこ毎朝、「精力剤」の広告がデカデカと載っております。


「黒宝牡蠣王 イナズマ級の男性力 たちまちやってくる"グングン"突き上げる高揚感 夫婦仲も良くなった!」
高麗人参で男の逞しさを! ピンピンくるパワー! 妻も大喜び!」


スポーツ新聞ではございませんで、立派な一般紙。


その広告の上には、
「イングリッシュ氏 NZ新首相に就任」、「韓国与党 主導権争い」なる記事が掲載されている。


40年の時を経て、この国は、筒井氏の予言した世界に成り果てて行っているように思われて、
こういう状況に、ヤバさが露呈しているように思われて、


ダイジョブですかい? この国は?