ヤツの村ではバカが人気者

アメリカの大統領選、共和党の候補者、あろうことかトランプ氏が指名されるという。


その発言から、人権意識に欠け、倫理的にも明確に問題のある不動産成金を、
格差の底辺であえいでいるブルーワーカーの白人、とりわけ若年層が支持しているという。
テレビ出演の知名度も、その人気を後押ししているらしい。


まさか、本選で大統領になることはないと思うが、こういう人物が候補者に選ばれるというだけで、世も末だと思う。


どこから誰がどう見ても、最も真っ当なことを言っている大統領候補者は、
民主党のサンダース氏なのだが、クリントン氏を上回る支持が得られる可能性はなさそうだ。


再び偉大なアメリカを取り戻すという、勇ましい米国第一主義を唱えるトランプ氏の言葉に酔う人々。


虐げられている侮られている、未来に希望が持てないという怒りが、自身より弱い立場にある者を攻撃するというベクトルに向かう。
自身の尊厳が傷つけられている中、「強く素晴らしいアメリカ人であるだけであなたは素晴らしい」と言われることで自己肯定感が得られる。


実のところ、そんな彼らを最も傷つけ損ない、蔑ろにしているのは、そういうまやかしの「愛国」を伝播し、強要してくる連中なのだが、
限りある資本を奪い合い、いつまでもどこまでも右肩上がりの業績収益を追求し続けることに矛盾があるのは、明らかなのだが、


そのことに気づかない。のか、気づかないふりをしていたいのか。


あちらでも、こちらでも、同じようなことが進行していく。


気づいた時には時すでに遅し。


と、ならなければいいのだけれど……。