コミュニケーション・ブレイクダウン

チャーリーで通勤なアタクシ、


往路復路の途上、ふたつの踏切を越えるのですが、


のんびり踏切が開くのを待っていると、時間帯によっては、開かずの踏切化することもございますから、


ひとつ目は、「跨線橋」なるもの、道路交通法的にチャーリー通行可になっておりますですゆえ、


時に、ばかデカいトラックやダンプが、嫌がらせのように幅寄せしてくるのにビビりつつ、えっちらおっちら坂を上り下り、


ふたつ目は、


地下道の左右に施されている、チャーリーの車輪の倍ほどの幅しかない、自転車用のスロープを用いて、


下車致して、下りは滑って転がり落ちようとするチャーリーをブレーキでなだめつつ、


上りは、サドルの後ろ支えて、よいしょよいしょと押し上げながら、日々通行致しておるのですけれど、


先日の帰路、


いつものように、その地下道を下ろうと思いましたら、一般的な自転車乗りは、右方のスロープ使うところを、


左利きの自転車乗りなのか、左方に設けられたスロープを使って上ってくる者がいるので、


左利きの人がいて、左方のスロープ使うのは、それはそれ、致し方ないことでありますから、


下り口で、その者が上りきるまでしばし待機、


していたのですけれど、


上りきったその者、


待機していること明らかなアタクシに一瞥をくれるでなく、何事もなかったかのように平然とその場を去っていく。


オイラならば、待たせてしまってすみません。という意思表示を、


表情に出すのみならず、「すみません」というひと言を口にして、お辞儀のひとつも致すと思うのですけれど、


まるで、オイラの存在がなかったかのように、去っていく……。


赤いハードケースに納められた、バイオリンと思しき楽器を携えた、そこそこ高級そうなロードバイクに乗る、


鮮度の良くないサカナのような目をした、どよん、ぶよんとした若者、


どんな音楽奏でているかは知る由もないのですが、


コヤツの奏でる音楽は、きっと、つまらないに違いない。


己のせいで待たせてしまっている人がいるなら、


「すみません」のひと言ぐらい言えるニンゲンになりなさいよ。


コトバに出すのが億劫なら、せめて、軽いお辞儀のひとつぐらいはできるニンゲンになりなさいよ。


音楽やる以前に、ニンゲンとして、あかんやろオマエは。


と、思ったのでありました。


と、そういうことを偉そうに言っているアタクシが、


ニンゲンとしてイケているかどうかは、


イケてる音楽をやっているかどうかは、


わかりませんのですけどね。


あばば。