彼岸へ渡る人たち

なけなしの銭を、


本と、雑誌と、レコードにだけ使っていた学生時代、


かしこぶって、


現代思想」だの、「ユリイカ」だの、購読していた中に、


映画批評誌に「イメージフォーラム」てのあって、「キネ旬」より、こちらの方が面白かったのですが、


戦場のメリークリスマス』公開時に、それが表紙になっている号があって、


そいつを携えて、美容院に出かけて、デビッド・ボウイの写真を指さして、


「こーゆー感じにしてくれろ」と言ったら、「作りが違うから難しいよね」と返されたのが、つい昨日のことのようなのですが、


バイトしていた居酒屋では、"Let's Dance"が、


マドンナや、シンディ・ローパーや、メン・アット・ワークや、デュラン・デュランと共に、鳴り響いていたのですが、


"ジギー・スター・ダスト"聴いたのは、後年になってから、


ミュージシャンとして大きな影響を受けたというわけではないのですけれど、


オイラにとっては、いわゆるひとつの、「オトコマエ」の象徴でした。


69ですか……、


みな、いつか辿る道とは申せ、


いろんな人が、どんどんいなくなる。


さみしいね……。