夢を転がす人々
ライブハウスで、何となく出た話。
ロックバンドというのは、「夢を売る」仕事ですよね。
と。
それが生活の「たつき」として機能している仕事であるかどうかとは別にして、
「夢を売る」者どもの奏でる「夢」を「追い求める」者たちがいて、バンドは転がる。
ライブハウスという場所には、「夢」を求める者たちが集う。
そんな、「夢」の時間が通り過ぎてしまったところで、
ボクは、音楽を、ロックを奏で始めたのかも知れない。
ボクの売る「夢」を、「追い求める」者なしに音楽は、ロックは、成立しないのかも知れない。
「ミュージシャンズ・ミュージシャン」という言葉がある。
「そんな風に言われたくて音楽やってるわけじゃないです。バンド仲間に誉められたところで音楽やってても仕方ないです」
と、言った者がいて、彼は今、音楽を、ロックをやることやめているけれど、
「ミュージシャンズ・ミュージシャン」にもなれそうにないけれど、
ボクは、音楽を、ロックを、やっている。やり続けている。
この歳になって追い掛ける「夢」を、「追い求めてくれる」者がどこかにいるのかいないのか、
何のために音楽をやっているのか、などいう問いかけは、
何のために生きているのか、という問いかけと、もはやほとんど同義であって、
答えのないところで、
生きるために飯を食うのと同じように、呼吸をするのと同じように、音楽をやっている。
それでいいんじゃないかな。
だから、音楽は、ロックは、転がり続ける。