ベンチがアホやから……

ちゅことで、一発目の入試の採点。


知らない人は知らないだろうが、知っている人は知っている、
昨年の本府の公立高等学校入試、複数校で合否にも関わる採点集計ミスが続出……。


につき、採点の方法を見直し変更改定


したのはいいけれど、それが、現場からすると、実に付け焼き刃。


採点集計に間違いなどないに越したことはないけれど、ニンゲンのやることに間違いはつきもの。
そもそも、入試というのは、間違い手違い含めての運不運もあっての合否……。


だったのだが、


情報開示のご時世の中、出した結果を開示してそこに間違いがあったなら、なかったことにはできないわけで、
100%間違いがあってはまかりならんということになった。


のですけれど、


生身のニンゲンが、年度末、他の仕事ぎょーさん抱えている中、今まで一年に一度しかなかったものを、タイトなスケジュールの中で二度やることになった中、


もともとは、


受験生全員分、全科目の答案をそのまますべて、コピーを取って、別々のニンゲンでそれぞれを採点して同じ点数になるようにしなさい。
というのが、当初の案だったわけで、
コピーを取るために、馬鹿げた時間を要することなど、どう考えてもわかりそうなものなのだが、実際にお試しで行ってから、やっぱ無理みたいなのでやめにしますという茶番を経て来ているだけに、


最終的に出てきた採点ミス防止の改定案も、誰が考えたのか、合理的とはほど遠い。
ハッキリ言って、お間抜けにもほどがある。オレが案を拵えるならば、絶対に行わないような馬鹿げたやり方。


とりわけ、国語という教科科目の論述問題において、


ひとりのニンゲンが、微に入り細にわたる採点基準を設け、その基準を以てして、すべての答案をひとりで採点したとしても、「ブレ」は生じる、生じます。ブレが生じないようにしようとするならば、恐ろしく長大な時間を要します。


それを、限られた時間の中で、最低3人のニンゲンで同じ採点基準を共有した上で、ひとつの答案を同時に合議することなく、各人が単独で採点したものが、結果、同じ点数を叩き出すようにしなさい。せんければならぬ。


というのが、当局の見解。


無理やろ。というか、あり得ない……。


それを無理でないようにするためには……、採点基準をできるだけ簡略化する。それ以外に方法はない。
正答なら6点の問題、本来なら0点から6点まで幅があって然るべきだが、そうするべきだが、そういう細かいこと、していられない。


だもんで、見逃しが生じることのないよう、逆に言うなら、細かいことは見逃しても結果に影響が出ないような、ざっくりした採点基準を設けて、それに基づいて採点するしかない。


ただでさえ、オレよりも年嵩の方々が多い今の職場、スタミナと集中力を維持するのは大変で、遅々として進まぬ作業に疲弊疲労致している。


100%完全に、間違いやブレがないようにしたいのであれば、
大学入試センター試験と同様、全教科全科目すべてをマークシート方式にして、機械に採点させるしかない。と、思う。


のですけれど、


現行の中学生はまだ、マークシート方式のテストに馴染んでいない。
秘密保持のため、公平平等を期するため、複数業者に採点や集計の業務を委託することは問題がある。が、そういった業務を一括して委託できる業者が存在しない。


などようの理由をあげて、マークシート方式の導入は見送っているのですが、


実のところは、


委託するための「予算」がないというのが最大の理由。
要は、現場の教員に、その学校の入試業務を押し付けてしまえば「タダ」で済むからやらせてしまおう、というお話。
オレたち、入試選抜業務に従事しながら、一円たりとも特別な報酬、受け取ってはおりません。


バカなことはたいがいにしてくれ、と思いながらも、


大多数の者にとっては、初めての岐路に立つティーンエージャーの、人生を左右する一大事、
バカが決めたこととはいえ、決まっている制度システムの中で、入学を望んで受験してくる彼彼女らに非はないので、


間違いや、不公平が生じぬように、細心の注意を払いながら、


「タダ働き」の我々、


明日は休日出勤で、終日、拘束監禁が続くのであります。


どないやねん……。