NO MUSIC, NO LIFE

実はかなり旧聞なのですけれど、ここ最近、Facebookのバンドマン&音楽関係者のタイムラインで拡散している記事、
http://ugayaclipping.blog.so-net.ne.jp/2009-07-23-10


と、それに対する見解を書いた直近のブログ、
http://ameblo.jp/rootwest/entry-11758858209.html


どちらがどうというのではなく、
と、距離を置くのは、どちらかを全面的に賛成したり反対したりできないからなのですが、


「ライブハウス」というところが、慈善事業でやっているのではない。ということ。
ではあるけれど、ただひたすら「金儲け」を考えてやっているのでもない。ということ。


については、その通りだと実感しております。


宣伝もせず、ろくにお客も呼べないバンドが多いけれど、もっと熱意を持って音楽やってよ。というコメントや意見もあって、


それについても、そうですよね。と、思っております。


そんな中、先のブログや、それに対するコメントを読んでいて、
ライブハウスという場所で、音楽というものをやらかしている自身のことを振り返りました。


ボクは今、「ノルマのあるハコ」、「ノルマのないハコ」、双方で音楽をやらかしております。


正直、ウチの音楽を、ライブを、見に、聴きに、来てくれるお客さんは多くありません。
更に言えば、音楽をやっている中で知り合った、音楽関係関連の友人知人以外が来てくれることはほとんどありません。
「ノルマのあるハコ」でやる時は、基本、持ち出し覚悟。というより、常に「持ち出し」でやっております。
演奏して、金を払う。客席には共演者しかいない。時には、共演者すらいない。それは正直、きついことです。


それは、やっている音楽そのものに魅力がないから、動員に対して熱意がないからだ。


と、言われれば、そうなのかも知れません。


その程度の魅力しかない音楽なら止めてしまう方がいい、
動員に対して熱意が足りないのであれば、もっと広報活動や宣伝に熱意を持って臨めばいい、


と、言われれば、そうなのかも知れません……。


でも、自身が音楽を続けるにあたって、


それはひょっとすると、音楽とは別のトコロの、対人間同士の繋がりや関係からくるものなのかも知れないけれど、


お互いのやっていることを、「素敵ですよ」と認め合っている、また一緒にやりましょうと言ってくれるバンドマンがいて、
「集客については、頑張って欲しいけれど多くは望みません。ノルマはいらないからウチでやってくださいな」と、声を掛けてくださる「ライブハウス」があって、
時には、たまたま我々の演奏を目にして、耳にして、「よかったです」と言ってくださるお客さんがいるので、


ボクと相方は、音楽を続けています。


本当に真剣に真面目にやっている人たちからすると、生ぬるいのかもしれないけれど、


自分たちなりに、真面目に、真摯に、音楽をやっております。


たぶん、


一年に一度か二度だけ、身内を集めて、
「発表会」のように演奏を披露するバンドだったり、特別な「イベント」を企画するだけのバンドなら、


その時の動員は見込めるのでしょう。それなりに楽しいパーティーになるのでしょう。赤字が出ることもないのでしょう。
実際、自身の音楽を、そういう立ち位置で、職場の同僚や友人を集めて披露している人々も少なくありません。


でも、ボクと相方は、そういう立ち位置で音楽をやることを「よし」としないトコロで音楽を始め、今もやり続けています。


ただ、


「持ち出し覚悟」で「ノルマのあるハコ」で自身の音楽をやらかすのであるならば、
自腹切ってでも良い音を聴かせたい、良い音を出す連中と出会いたい。という同じような覚悟を持って、
その日集った他のバンドマンたちの奏でる音に耳を澄ませながら、その夜限りの音楽の場を作り上げよう。
と、考える者たちと一緒に音を出したいと思っていますから、


そうでない人たちが少なからずいることを、残念に思うことがないではありません。


「ノルマのないハコ」に呼んでもらって演奏する時は、
呼んで頂いたことに対して、ひとりでも多くのお客さんを呼ぶことがイチバンの報恩であることはわかっているのですけれど、
それが叶わない時は、叶わない時が多いからこそ、自分たちの可能な限り最良のパフォーマンスを披露することを心掛けねばならない。
と、思っているのですけれど、それも思うに任せず、悔しい思いをすることがないではありません。


ボクにとっての音楽は、


野心や野望のための道具ではありません。


格好をつけて言うなら、生きざまそのものだと思っております。
ひいてはそれが、誰かの生きざまに引っ掛かってくれればいいなと思っております。


「ノルマはいらないからウチで演奏しない?」と言ってくださる人が、場所が、ある間は、
やっている意味があると信じて、やり続けようと思っております。


自身の演奏できる場所が、「ノルマを払って演奏するハコ」だけになってしまった時は、
たぶん恐らく、ウチが音楽をやる意味を誰も認めなくなった時だと思うので、誰かさんの前で音楽をやることは止めにしようと思っています。


あとどのくらいやれるかはわからないけれど、


足腰立たなくなるまで、足腰立たなくなっても、


やれたらいいな。いいね。