ひとり上手

他人様のことを言えた義理ではないとは申せ、


見知らぬ誰かさんの前で、何かをやらかそうやらかしたい披露したい披瀝致したいというようなニンゲンは、
多かれ少なかれ、肥大した自我を持て余していることが多いのですけれど、


当夜のライブ、「弾き語り」な方々の集まり。


複数のニンゲンの共同作業であるところの、ユニットやらバンドというパフォーマンスに比べると、
いい意味においても、悪い意味においても、自我の肥大指数はかなり高いわけでありまして、


総勢6組の中、ウチだけが二人組のユニット。


他の方々とは、音楽に向かう姿勢佇まいが根っ子の部分で異なる感じ。


有り体に言うと、


その日の夜、どこのどなたと一緒であろうが、自分がステージに立って、自分が演奏できればそれでよし。
他の演者のことなんか知らねーし、という自己完結的佇まいの方もいるわけで、


そういう人と同じ夜のステージを共にするというのは、
向こうはこちらの演奏、見ても聞いてもいないわけだから、会話が成立する余地もなく、
こちらにとっては、同じ夜を過ごす意味は何もない。


出演2番手だったから、そんな違和感とは関係ないのではありますが、


久々に会いに来てくれた方々がいて、彼らはウチだけがお目当てというわけでなく、
他の演者さんのパフォーマンスもすべて見聞きし、その夜の音楽を楽しもうという人たちですから、


尚のこと、自分たちのベストをお見せお聴かせせにゃならんのですけれど、


アタクシ、なんだか、スタートして2曲目の途中あたりまで、エンジンのかかりが悪かった。ぎこちなかった。
3曲目あたりからふっきれましたけどね。


人それぞれではありますが、
そうでもしないと、ライブがやれない。という事情もあるにはあるんでしょうけれど、


個人的には、余程の事情がない限り、開演時間に間に合わぬ日に、ブッキングのライブに出ようとは思わない。


共演者の方々に失礼だから。


ね……。