シンクロにシティー!

生徒の喧嘩、


そう珍しいことでもない。


けれど、


血みどろで意識朦朧、救急車で搬送、警察も出っ張る。


となるのは、そうあることではない。


暴力というのは個人であれ集団であれ、いかなる場合であっても回避するべき、させるべき。
だもんで、理由の如何によらず、正義のための戦争ってのもまた、あり得ない。


喧嘩、実にくだらない。くだらなくて涙が出る。


のだが、


本屋に入って知らないヤツと目が合えば、必ず絡まれるよーな下町育ち、悪ガキうようよ。
避けられないことも多々あって、ガキんちょの頃は、悪タレどもとちょくちょく喧嘩をした。
1対1ならほぼ負けなかったが、複数相手に袋叩きにされたこともある。
そーゆーことの一度や二度、誰にでもあるんだろーと思っていたが、どーやらそーでもないらしいというのは、随分後になってから知った。


オレの親父は、華奢で小柄で腕っ節も強くなさそうで、実際気弱な男だったが、
喧嘩の仕方を伝授されたことがある。
幸か不幸か、その後、それを実践する機会は訪れていないが、親父が伝授した内容はよく覚えている。


などようの話を、職場の同僚とした直後に、


職場の本棚に立ってたの気になって、手元に置いていた『文藝春秋 短編小説館』、なにげに開いて、丸谷才一『墨いろの月』読んだら、


あろうことか、


喧嘩の仕方を少年に伝授した男の話だった。


男の伝授した勝つ方法は、
1)複数相手とは闘わない。
2)大将格と1対1で闘う機会を窺って勝負に出るべし。
3)喧嘩には卑怯も何もない。先手必勝と思うべし。
4)相手の息がかかるほど近い所まで迫り、おもむろに相手の両耳を掴んで下に思いきり引っ張るべし。
5)痛さにしゃがみ込んだ相手の顔面を、低位置から容赦なく殴るべし。蹴ってはいけない。
6)降参するまで手を緩めない。
7)最後に、降参させた相手には、取り巻き連中にもう自分には手を出さない出させないことを約束させるべし。
なんですと。


親父がオレに伝授した方法とは違うなぁ……。
ココに書いて、世間の皆々様方に知らしめるのは勿体ない(というほどのものでもないけれど)から、知りたい向きには個人的に訊ねて下さい(笑)。


しっかし、こーゆー偶然って、ミステリアスではあるな。
今朝方、珍しく親父の出てくる夢見たし。


ぶるるっ。