縁なき衆生

小学校の頃から、


真新しい教科書、手元に届くのが嬉しいガキだった。


とりわけ「国語」の教科書は、


高校生になっても、


手元に届くとすぐに、


完読していた。


その頃はまさか自分が、


国語教師なんてものになろうとは、


夢にも思っていなかったが、


それなりの必然というものがそこにはあったのだろう。


そして今、


国語の教科書手にするの嬉しくて、ページ繰ることはおろか、


5月末の今になっても、教科書を購入すらしていない生徒を前にして、


文学語ってることが、


時々、たまらなく、


虚しくなる。


文学ってのは、


如何に生きるのかについて、幸福とは何かについて、考えるものだと思うのだが、


一緒に考えようぜ。と、思う。


詮ない話。