雑談

高校の頃、


やることなかったのか、授業するのに疲れてたのか、年に一度ほど、授業丸々1時間雑談に終始した教師がいたの覚えている。


ひとりはオレとソリの合わなかった数学教師で、戦争の時の自慢話(やれやれ……)。
あとひとりは、英語教師。何を喋ってたのかほとんど覚えておらん。


オレ、この商売始めてからン十年になるけれど、授業を雑談で潰したことはなかった。


国語教師ってのは基本、授業そのものが雑談で構成されているみたいなものだし、
何より、件の数学教師のイメージがオレにとってあまりに悪かったもんだから。


だったのに、


本年度最後の授業の今日、どーしてそーゆー気になったのか、「国語表現」の授業50分丸々、雑談に終始しちまった。


ま、先日、その講義受講している生徒を含む数名が、食堂で「怖い話」大会やって盛り上がっている所に遭遇して、「センセーも何か怖い話してや」と言われたという伏線があるにはあったのだけれど。


で、「怖い話」を発端に、「心の闇」やら「時の流れの無常」やら「生き方」やらの話してたら授業が終わった。


生徒たちみな、いつもの授業の時とは違う顔して聞き耳立てていた。


「センセーって、お話上手やな」と言われた。


でもねぇ、オレはステージじゃ「MC(=お話)」すんのへたくそで困ってんだよ。


なんでだろうねぇ……。