ノスタルジア

神崎川と淀川に挟まれた、
『全国地名総攬』なるものによると「およそ工業地帯」と記されたダウンタウンで育ったオレ、

ジジババがやってる駄菓子屋で、絶対当たらないクジ引いたり、
ガスタンクそびえ立つ、妙な匂いの漂う川沿いの空き地で草野球、1個しかないボールなくして、夜更けまで探し回ったり、
ゴルフ場に忍び込んで、池にいるザリガニ捕まえたり、ロストボール拾い集めたり、
焼け落ちた市場跡に塀乗り越えて入り込んで、ドブに嵌ってドロドロになったり、
幽霊出るらしいという噂の、空き家になった警察の寮に潜り込んで、2階の床突き破って1階まで落下したけど擦り傷一つなくピンピンしてたり、
どこかのタクシーの運ちゃんが小便引っ掛けたら、罰が当たって事故って死んだという噂の、赤い柵で囲われているご神木といわれている枯れ木に誰が小便引っ掛けるかの勝負したり、
神崎川に掛かったでっけぇ橋の下に60?四方くらいの穴が開いてて、それがずーっと奥まで続いてんの見つけてきたヤツいて、昼間でも真っ暗な穴ん中、懐中電灯持ち込んで匍匐前進、奥までたどり着いたはいいが、向こう岸に出られず、死ぬ思いでバックして戻ったり、
銭湯で頭洗ってる時にいきなり思いついた、世界最強のロボット、忘れないうちにスケッチブックに描き起こして、「どーだ、すげぇだろ」とみんなに見せびらかしたり、

あの時その時、一緒にいたの誰だったっけか?と、思い出せたり思い出せなかったり。
そんなことあんなことのことどもが、次々と頭に浮かぶ。

そんな漫画だったさ、『20&21世紀少年』は。

みんな、 死ぬまでガキでいよーぜ!