所信表明演説

遺伝子が優生だとかどーだとか、ということがテーマの映画を観たからなのですが、


オレって何?


と、改めて思ったり致すのですが、


オレのオヤジ、


昭和ひと桁の生まれで、旧制の中学に通っている頃、


取りあえず勉強が嫌いで、苦痛で、そこから逃げたくて、時代の流れの中、背中を後押ししてくれる世相に乗っかって、予科練なるものに志願して、


飛行機乗りになって、空を自由に飛びたいと思ったのか何なのか、


でも、耳鼻咽喉関係に不具合あったので、結果、飛行機乗りにはなれませず、


年齢的にも中途半端で、中途半端なのが功を奏して、あと、ふたつみっつ歳を取っていたら、


「人間魚雷」に搭載されて、海の藻屑と消え去っていた筈が、


戦場に赴くこともなく、敗戦後の時代に舞い戻ってきて、


若者の絶対数が足りない中、警察官の募集に名乗りを上げて、


中学中退でありながら、どさくさに紛れて、警察官になったはいいけれど、


上意下達の組織に馴染めず、ドロップアウト……、


その後は、「パンのために」、「飯のために」、町工場の工員として、己の不遇をかこちながら、その生涯を送った人なのですが、


この「オレ」という人間をこの世に送り出して、自身の子であるこの「オレ」を、


社会的に地位のある人間に育て上げれば、ドロップアウトした己の人生を、一気に挽回逆転、安寧に過ごせるのではないか?


などという計算を致しながら、「オレ」を育てることに、その妻と力を合わせて躍起になったものの、


途中まで順調にそのレールに乗っているかに思えた子であるオレは、そういう親の考えを知った時点で、


「なんだかなぁ……」と、思う青年に育ってしまい、


そんな人生の計画が達成できないどころか、安寧な老後を迎えるその前に、


若き日から続けてきた「暴飲」が祟って、この世を去ったのですけれど、


そういう親から生まれてきた「オレ」、


飽きっぽい、根気のない、いろんなものからすぐに逃げ出したくなる、遺伝的傾向を引き継いでいる筈なのに、


進学した大学を、ドロップアウトしたいな、しようかな? と、思いながらも卒業し、


ま、それぐらいしか、「飯食う」ための手段はオレにはなさそうだ。


ということで、「でもしか」でなった、高校教師という職を、


それなりの強固な主義主張を抱えながら、ドロップアウトすることなく、続けてきつつ、


右往左往はあったものの、本職とは別のところで、


今の「オレ」は、これがやりたい。だったら、やりますわ。


と、いうことで始めた音楽活動、


あれこれ、人の出入りはあったものの、"モンビジ"と名付けたバンド、ユニット、やめることなく続けてきて、


お誘いのあった、そのタイミングが機を熟していたから参加致した、"夜の水たまり"というバンドの一員になって、


本職も、本職とは別の音楽活動も、


そのことに、意味があるのかどうか、いい歳こいて、自分でもよくわかってないところもありながら、


曲がりなりに続けている。


オレって何?


なんてことの、答えは、自分にも、誰にも、わからないのですけれど、


オレは、そういう生き方を選択しながら今に至っております。


それは、たぶん、恐らく、幾ばくかの影響はあるとはいえ、


DNAだけが決定することではないだろう。と、思うのです。


この世に生を受けた、それぞれの、己の命を、どう生きるか、生かすか、ということは、


結句、


自身が決定し、選ぶことなのだと思うのです。


そんなオレは、


教師として、己が信じていることを、年齢的にはどんどんかけ離れていく若い連中に伝えていくことと、


オマエがそう思うなら、やればいいじゃん、やりきれよ。


という心の声に従いながら、


くたばるまで、たいした技量もない、「音楽」をやる、やらかすというその現場で、


生きていこうと思っております。


だもんで、


高校教師であるところのオレも、"モンビジ"というユニットにおけるオレも、"夜の水たまり"というバンドにおけるギタリストとしてのオレも、


自分からはドロップアウトせずに、全うしたい、しよう、と思っております。


それをやり遂げたところに何があるのか?


そんなことは、もう、どうでもいいや。 と、思ったりも致しております。


結果より、今が大事と思いたい。


というわけで、


本業も、本業とは別のところでやらかしている「音楽」も、


いいかげんでなく、「ガチ」でやろう、やりたい、と思っております。


それは、他人様の見ようによっては、つまらなく、くだらない生き方なのだろうということも、重々承知致しております。


でも、くたばるまで、最期まで、


そんな感じで、転がろうと思っております。 転がり続けますよ。


という、所信表明。


でした(笑)


お付き合いくださる方がおりますならば、


本業の方で関わっている生徒たちは、付き合わざるを得ないのですけれど(爆)


そんな阿呆のやっていることを、見届けてやってくださいましたら、幸い。


です。