ニンゲンってヤツは

口幅ったい話なのですが、


オレには、


どちらが表でどちらが裏なのかは、自身でも、もはや判然と致していないのですけれど、
「表の顔」と「裏の顔」、というのがございまして、


裏(表?)の顔が、『野獣死すべし』の伊達邦彦や、『仕置人』の中村主水のように、ヤバい裏家業というわけではないにせよ、


昼は「高校教師」、夜は「バンドマン」という、ふたつの顔を持っておりますわけで、
どちらも、口にするとヤバいこと致しているわけではないので、とりわけそのことを表にも裏にも隠してはいないのでありますけれど、


表(裏?)稼業でご一緒している方々は、ほんの一部の方を除いて、裏(表?)の、オレの顔にはほとんど興味がありませんわけで、


それはたぶん恐らく、一緒に仕事というものを致しているオレの表(裏?)の顔にも、
さほど興味を抱いているわけではないのだろうなと思うのでありまして、


オレが音楽やっていて、音源などを世に出していることには、ほとんど興味関心ないわけで、
音源買い求めて聴いてみてやろうということはおろか、どんなことやっているのか生で観てやろうとは、さらさら思わないわけで、


オレにしたところで、なかなか身近で仕事している人の「裏の顔」、
興味があって、拝みに行きたいという欲求があっても、なかなか思うに任せませんので、それを言えた義理ではないのですけれど、


ニンゲンというヤツ、オレを含めてみなそれぞれに、己と己のごくごく周辺のことにしか、基本的には興味関心を抱かないのですよね。


と考えると、


裏(表?)のところでやっているオレの活動を、それなりに面白いと思って、追いかけてくださる方々については、
日々、心の底から、感謝致しております。


独りよがりで好きなことやるのも、それはそれ、なのかも知れませんけれど、


こいつのやってることに興味あります。面白いことやってますやん。
と、足を運んでくださって、音源なるものを自腹を切って買い求めて聴いてくださる方が、
ごくごく少数ではあっても、存在しているということに、今、心から感謝致しております。


だって、


ここ2日間のギグで、たまたま接したオレたちのやってる音楽聴いて、
「ステキやん」と思って、音源買い求めてくれる人が、いるわけですから。


オレのやってる表(裏?)の仕事は、多くのニンゲンと関わって、そのニンゲンの人生についてあれこれ示唆する仕事。
それは基本、ニンゲンという幅広い存在に接して、そのニンゲンのコトバを受け止めて、自身の人生というものを見つめる仕事。
ニンゲンというものに対する興味関心がなければ成立致さない仕事。


なのです。


だから、その相手が年若い、何にもわかっていないような「こわっぱ」であっても、
その「こわっぱ」に興味関心を持つことを大切にするところから、オレは仕事を致しております。


で、思うのは、


ニンゲンというもの前にして、身近にいるそのニンゲンに興味や関心を抱かないのでは、
それは、ニンゲンとして、「あかんヤツ」だよなだよね、と、思うのです。


だからオレは、


オレの目の前にいるニンゲンひとりひとりについて、
仕事柄、日々、途方もなく多くのニンゲンを相手にしているのですけれど、


興味関心抱かないといかんなぁ、と、改めて思ったり致しております。


それにしては、


日々、前にしているニンゲン、途轍もない数、なのですけれど、


ね……。