黒の舟唄
最近、
長谷川きよしさんの演奏をちょくちょく聴いていて、
彼の奏でる「黒の舟唄」は絶品ですな。こんなギターを弾きながら唄いたいものである。
と、思っていたのですけれど、
本家であるところの、
野坂昭如氏が彼岸に旅立たれた。
『火垂るの墓』は元より、
『エロ事師たち』、『骨餓身峠死人葛』、『てろてろ』などようの作品群は、
高校時分のオレの来し方行く末に、少なからぬ影響を与えた人のひとりだったと思う。
だらしなくて、情けない感じを漂わせつつ、漢として格好つけようとしながら、つけきれないところが憎めなくて、
それでいて、何よりも、公平で、偉そうなヤツがキライで、
直接存じ上げているわけではないけれど、真っ直ぐな方だったと思うのでした。
物書きや、役者や、芸人や、アーティストと呼ばれる人たちの中に、
こういう個性が少なくなっているような気がして、
寂しく思うのは、オレが歳を取ったからだけではないように思うのだけれど、
どーなんだろ……?