柔よく剛を制せられたし
時間割臨時変更の乱れ打ちで、連日7限目まで授業だった先週とは打って変わって、
今週の職場、イベントごとの乱れ打ち。
そんなことなら、分散すればいいのに……。と、思わないでもないのだけれど、
担当学年、昨日は「百人一首カルタ大会」。本日は「球技大会」、球技の中身はバスケットボール。
国語の教師はしているけれど、己自身が「百人一首」ほとんど覚えちゃおりませず、
「百人一首」覚えている者が、「古典」の読解に長けているかというと、そうでないこと、経験上知っておりまして、
教科の主催で催すつもりは毛頭なかったのでありますが、
「やろうよ、やりましょうよ」という声あって、それに逆らいませず、開催致したのでありますが、
何と言いましょうか、ウチのガッコの生徒たちの大多数は、
遊び事、とりわけ団体競技というの、何によらず大好きなようで、
きゃーきゃー言いつつ、札の取り合いに興じておったので、ま、楽しいならいいか。と、見物。
このお遊び、無論、上の句聞いただけで下の句が頭に浮かぶ者が圧倒的に有利なのではありますが、
傍で眺めていて、「ほほ〜ん」と思ったこといろいろ、
百首のほとんどを覚えている者がチームにひとりいれば、そういう者の独擅場になるかと思いきや、
そういう者も、己が座したまま手の届くエリアについては、しずしずと取りに行くけれど、身を乗り出して取りに行かねばならぬ場所に並んでいる札については、それを強引に取りに行こうとしない風情……。
はたまた、相手チームの誰かと札に手をついたタイミングがほとんど同時の場合、にこやかにジャンケンポンを致している。
どう見てもこちらが早かっただろうと思われる時であっても、それを強く主張するでなく、ジャンケンポンで勝敗を決していて、周囲の者もその判断に対して異を唱えることがない。
本日執り行われたバスケットボール大会に致しても、身体能力の高低、技術の巧拙がそこにはもちろんあるのですけれど、
それはさておき、相手を押し倒してでも、突き飛ばしてでも、このボールは我がモノに致してやる。がるる。
という、「優勝劣敗弱肉強食野獣の本能」に従って行動しているヤツというのが、男子であれ女子であれ、ほとんど見受けられない。
ルールを知らないことによるファールは山ほどあるが、ラフプレーというのがほとんどない。
前任校で「球技大会」やる時には、ほとんど「喧嘩」をやらせるのと同義だったこと思えば、雲泥の差……。
要は、ウチの連中、すこぶるいい子ちゃんなのである。勝負にこだわって「がっつくヤツ」が皆無なのである。
そりゃ、己が取り組んでいるモノに対する思い入れの度合いによって、程度の多寡はあるとは申せ、
他ならぬオイラも、目の前で闘う相手を、場合によっては少々汚い手を使ってでも押しのけ突き飛ばしてでも勝利を手にしたい、してやろう。
と、思うタイプではございません。小汚い手を使ってでも勝利しようとする輩のことは、心の底から軽蔑するタイプの人間です。
が、この世の中はどうやら、
どんな汚い手を使ってでも勝利を手にしたい、してやるのだ!
と、考える、傲慢で厚顔で破廉恥なニンゲンが、いろんな場所で大きな顔をしておりますわけで、
ウチのガッコの連中、そういう人にはなれなさそうであります。別に、ならなくていいけど。
と、思ったのですけれど、
それは、ヘタをすると、ただ単に優しくて控え目なだけで、
傲慢で厚顔で破廉恥なニンゲンを前にしても、「ごるぁ!テメエのやってるこたぁ、おかしいやろ!」
と、面と向かって対峙対決できるだけの気概や根性も持ち合わせていないのかも知れませず、
そこんとこ、もっと鍛えてくださいね。鍛えてあげますね。
と、思った次第。
で、クラスなんてぇの、日々の学習のため便宜的に分けられただけの集団に過ぎませんので、
ムラ社会的な帰属意識や、得体の知れないクラス愛の中で勝ったの負けたのなどいうのは、基本的にどーでもよいオイラなのですけれど、
そんなオイラが担当しているクラスは、全10クラス中、
「カルタ大会」が、あろうことか第2位。「バスケ」は、男女とも、さもありなんな第8位でありました。
8位だった「バスケ」の結果について、「末広がりでええや〜ん」と言った生徒さんおりましたが、
「7位やったら7位で、ラッキーセブンやからええや〜んと言うんやろ?」と返すと、
「ま、そーやけど(笑)」と、応えるところに、若干の頼もしさを感じたのでありました。
あと2年とちょっと、
このまま謙虚でありながら、傲慢や厚顔や破廉恥と闘う術を、鍛えてくださいね。
それは、決して自身が得をする生き方ではないかも知れませんけど、ね。
ぐふふ。