ザ・バースデイ

安部公房の戯曲に『友達』ってのあるんですが、


ひとり暮らしの男のアパートに、見ず知らずの九人家族が、愛と友情を届けるために無理やり闖入して来る。
当然、男はそれを拒むのだが、なんだかんだで居座られ、挙げ句の果てに……。


というお話ですが、


どーせ、高校の文化祭で演劇とかやるなら、こーゆーのやって頂きたいものである。


と、思ったりも致すのですが、


我が家に遊びに来る、小学生のお嬢ちゃんたち眺めていて、


この『友達』を思い出した……(爆)。


夜、ライブなので自主的に仕事は半ドン、有給休暇。
風呂入って、リフレッシュして、ちょっくら昼寝でもかましてから、「行くぜ!」


と、思っていたら、まだ昼過ぎなのにピンポン鳴って、「来たで〜!今日、ガッコ、昼までやって〜ん!」


って、「何でガッコ昼までなの?」と訊いても、「さぁ、なんでやろ?」
かてて加えて、「明日は工場見学で、ダイキンに行くね〜ん!」


この子たち、先週の金土は林間学校。月曜代休。水曜半ドン。木曜工場見学。
小学校、いつ勉強教えてはりますねやろ?ぜんぜん勉強してませんやん……。


でもって、こやつらがウチにおりますと、


シャワー浴びてからパンイチ、時にはフルチンで出てきて扇風機の前に陣取るということもできかねる。
折角シャワーをあびたばかりだというのに、これからライブ本番だというのに、
今日もまた、ギター押し付けて「弾け!」という、「歌え!」という。
拒否すると、数人がかりで脇腹をこちょこちょしてくる。つかんでくる叩いてくる殴ってくる。手加減を知らない(爆)


今日は今日とて、玄関に近い一室で、
並べてある衣装ケースや、物入れ、茣蓙やらシートを使って、「秘密基地」を作っておる……。


で、そろそろ出掛けるから帰ってくださいませね。と、何とか追い立てて、


"para-dice"に向かう。


奇しくも本日は我が誕生日。


誕生日だから覚えているが、五十数年生きてきて、
10月のこの日に、この暑さだったことはついぞなかったと記憶する。
4歳あたりまでの記憶は曖昧ではあるけれど、なかったと記憶する。


実は、この星には何かとんでもないことが起こっているのではないかと勘ぐりたくなる。
地球って、実はあと数年の命なんじゃないの?


などようのこと思いながら、誕生日にライブ。たまたま誕生日にライブ。


祝ってやろうと集まって下さった方々、ハコのみなさま、ありがとうございました。
見ず知らずのオイラの誕生日なんか、なーんも関係ないのに共演してくださった皆さま、巻き込んでしまって申し訳ございませんでした。


良く言えば疾走感漂う、悪く言えば暴走気味の演奏ではございましたが、反省点多々あるライブでございましたが、


いいバースデーの夜を過ごさせて頂きました。


でもって、


ぼつぼつ、今は亡き父親が酒で我と我が身を滅ぼしはじめた御歳に差しかかって参りましたので、


これを契機に「酒やめてみますか?」などようのこと、
ライブハウスに向かうクルマの中で、一瞬思ったりしたのですが、


祝い酒、たくさん頂戴致しましたので、


「断酒」の誓いは、あっさりなかったことと相成りました。


酒やめませんが、


地球が滅んでも、オイラとモンビジは永久に不滅です。


いや、摩滅です(笑)