ない袖は振らない

「盆休み」


まとまった休みがあると、すぐにどこかへ出かけたがる人々が多い中、


  知らない町を歩いてみたい どこか遠くへ行きたい♪


という欲求が、というか、習慣が、ないこともあって、遠出をすることはほぼありませぬ。


のだけれど、


京阪に位置するライブハウスの予定、
今夜は誰それがどこそこで演っている。ということは把握している。


把握したからには、行きたいなぁ観たいなぁ聴きたいなぁ。と、思うのだけれど、せこい話で申し訳ないのですけれど、
それ相当のお金がかかりますゆえ、そうそう出っ張るわけにも参らない。


ケチな話をするな! という向きもあるのでしょうが、


場所にもよるけれど、公共交通機関を使った往復の交通費が、600円から1500円。
チケ代が、1ドリンク込みで1500円から2500円。
行ったら行ったで、ビール1本で終わるはずもなく、酒代だけで更に2000円。


ひと晩で、5〜6000円の散財。
週に一度出かけたとして、ヒト月で25000円。相方も一緒となると、50000円。


その上、自身のユニットで週に2度のスタジオ、月に3〜4回のライブをこなしている。
右肩下がりのコームインの月収で、金の貯まろうはずがない。


で、ここからが本題。


小学校、確か3年か4年の時、
オヤジが、「ボーリングというの、いっぺんやりに行こか?」と言い出して、
近隣にできたボーリング場に、てくてく出かけた。わくわく出かけた。
ボーリング場に到着して、料金表を見たオヤジ、開口一番、
「こんなに高いんやったら無理やな」と、そのまま家に戻った。
たぶん、1ゲーム400円ぐらいだったんじゃないかと思う。が、そのまま1ゲームもせず家に戻った。


同じ頃の年末、
エポック社の「サッカーゲーム」を欲しがっていたオレに、お袋が、
「年末のボーナスが出たら買ってあげるわ」というので、楽しみにしていた。
年末になって、「ボーナスなかったからごめんな」と言われた。
たぶん、「サッカーゲーム」は2000円くらいだったと思う。


週に一度、ライブハウスに出かけるなんちゅのは、贅沢の極み。なのです……。


今、


格差社会などようのこと言われる中で、


大多数の者どもが、ひと月に5000円を超える通信端末代を支払いながら、今日はどこそこで何を食ったなどようのことをつぶやいたりネット上にUPしたりしている。


貧しさなどいうものは、知らなければ知らないに越したことはないと思う。


のだけれど、


貧しさというのを、それなりに実感した者からすると、


持てる者どもの態度や姿勢にも、持たざる者たちの立ち居振る舞いにも、


どちらにも、嫌気がさすことがある。


辛気くさい話で、ゴメン……。