死に場所

テレビ番組、滅多に見ないのだが、NHKのドラマ見る。


「死に場所」についてのお話。


地域社会というのが機能していて、近隣の目が行き届いていたり、
在宅診療してくれる親切な若い女医さんがいたり、
普通の財力ならおいそれと入れそうにない充実した施設があったり、
都会にいる子や孫は、何だかんだ言って経済的には恵まれていたり、
ひとりではどうにもならなくなってから息を引き取るまでそう長くなかったり、


都会であろうが地方であろうが、近隣はおろか親類縁者もあてにできないのが普通だし、
在宅診療してくれる医者などほとんどいない。
それなりの施設には、それなりの財力がないと入れない。
子や孫も、経済的に恵まれているとは限らない。
人はそう簡単に逝きはしない。ひとりで生きていけなくなってからが長い。


現実はそんなに甘くない。と、突っ込みどころ満載だったが、


渡辺美佐子さんの演技が巧みだったこともあって、「病院」ではなく「家」で最期の時を迎えたいという老母の思いに鼻白むことはなかったし、わがままにも映らなかった。


「死に方」というのは、須く「生き方」のことなのだということ。


オレにしても、くたばる時のこと考える。
どこで死にたいか? どんな風に死にたいか?


自分の家で死にたいか?畳の上で死にたいか?病院で死ぬのはいやか?


そんな問いに対する答えはまだ持っていない。


のだけれど、


いい「死に方」するために、くだらない「生き方」はしないようにしよう。


己の欲得のために他人を利用し踏みつけにする生き方。
他人を傷つけ損なうことで、己の立場を守ろうとする生き方。
他者を差別し侮り蔑むことによって、自己を肯定しようとする生き方。
大きなモノに身を委ねることで、小さいモノを見殺しにするような生き方。


最後まで、最期まで、そういう生き方はしないように。


うん。