本当のこと

「格差」というのは、

各個体の有する生得的能力に絶対的な差がある以上、完全に解消することはできない。

本当は、人間の能力には差があって、力の強いものが全部持っていく。でも、それを言っては社会的統制が取れないから、ある意味みんながそれを嘘と知りつつ、「人間には無限の可能性がある」、「努力しだいで何とかなる」という建前を信じることにしている。

キヨシローは、かつて
「本当のことなんか言えない。言えば殺される」と歌った。

今、インターネットの世界では、匿名の無意識のつぶやきが「本当のこと」を言語化し、日々、それに対して巨大な合意がなされている。

残るべき能力のある人間だけ生き残ればよいのだと社会も認識し、本来ならそれに反対すべき立場にある個人が、ネットを使って率先して暴力的な発語に乗っていく。

実のところ、「格差社会」はそれに抗うべき人々が顕在化させている。

能力やスキルが低くても、安心して生きることが許されてもいいのではないか?
社会は、多様性を受け止められるようなシステムの構築を目指すべきなのではないか?

誰もそれが「本当のこと」だとは思っていない。オレは思ってんだがね。
たとえ、それがインターネットの匿名の世界であってもね。

そんなこと考えた、仕事始め。