Dark Side of The......

同僚と話をしていて、流れの中で思い出したこと……。


ある時、


担任していたクラス、ひとりの女生徒が、つつーっとそばに来て、


「センセ、Aさんって、スタイルも良いし美人なのに、口を開くといつも、ダルいとかメンドくさいばかりで、恵まれてるのに、残念ですよね。」


と、ため息つきながら言った。


オレはその時、「だな。損してるよな」と、返したのですけれど、


考えてみれば、その女生徒は、オレが同意してくれることを見込んでそう言ってきたわけで、


確かにオレは、Aという生徒に対して、彼女が思ったようなこと感じていたわけで、


それをそうとわかっていた彼女の目利きもすごいのですけれど、


彼女にそうと感じさせてしまうだけの気配を漂わせていたのであろうオレも、


クールに振る舞っているつもりで、いろいろなことが滲み出ているのだな、と、ちょっと己の立ち居振る舞いを見直した。


そして、


その時、残念だと思われたAには、こちらの与り知らないAだけが抱えているあれこれがあることを後に聞き知るに及んで、


何人も、予断や偏見というものから逃れられないとはいえ、


見えていることどもの裏側に、こちらの見えていないことどもが潜んでいるのだということを、


この歳になって、意識するよう心がけようと思った次第……。