生と性
イタリアン・ネオリアリスモ、おフランスのヌーヴェル・ヴァーグに、アメリカン・ニューシネマ、
日活文芸ポルノにATG、その他もろもろ……。
初めに観たのは、小学生の頃、テレビ番組だった。
地上波デジタル、BSにCSと、他チャンネル化した今、
無料で配信されている一般のチャンネルで、古い映画が流されることはほとんどない。
ないから、小学生や中学生が自然と目にすることもない。
レンタル屋に行けば、洋邦を問わず古今の名画、簡単に観ることできるのだが、
観ようとする者、さほどいるとも思えない。
文化というの、表層化と幼稚化に拍車がかかる。
「暗い話」は見たくない聞きたくない、と顔を背ける。
先日、70年代後半に制作された日活映画のDVD、再見したけれど、
今、こういう映画が制作される余地はなさそうだ。と、改めて思った。
ニンゲン、語ろうとするならば、「生」と「性」。
向こう側には「死」が横たわっているわけで、映画や文学っての、そこから目を、顔を、背けるわけには参らない。
まともに向き合えば向き合うほど、語る中身は、暗く重たくなるのは必然なのだが、
どうやら、現代人は、老いも若きも、「薄っぺらなエンタメ」と、「目先のお金」の方がお好きであるようだから、
「文学」やら「芸術」なんての必要と致してはおらんらしい。
高校の「国語」とゆーの、「文化」と「芸術」ってのに触れ、あれこれ考える教科なんですが、
大学の入試科目について回るものだから致し方ないとは申せ、
そのあたりのこと、わかってらっしゃらない方が多いのも、
むべなるかな。やんぬるかな。