奇遇

首実検したあと、机の上に紙まいて、


「始めてください」と言ってから、うろうろして、


時計睨みながら「あと10分です」などいう頃には、


もうすでに、


紙を配られた人々は、うつむいたりうなだれたりしていて、


時計睨みながら「やめなさい!」と言ってから、


配った紙を回収する仕事。


肉体的にはなんちゅことないが、


くたびれた……。


朝、雨だったから、地下鉄で出かけた帰路、


乗り換えで乗り込んだ車両のドアのところに、


"地獄の季節"&"スキマノザラシ"のミズカミさんが立っていた。奇遇。


「あ、どもどもどもども」と声をかける。


話していると、どーやら、


ミズカミさんをこの世に送り出した人も、オイラと同業者だったよーで、奇遇。


オレにコドモがいたら、こんな人になっていたのかも知れぬ。


ちゅーか、すでにしてオレが、もう「こんな人」なんですけど。


と、思ったら、なんだかおかしかった。


うくく。