「感情」より「論理」

実は心の底で、女性を下に見て馬鹿にしている男。


心身に障害を抱えている人、生産性の低い者には価値がないと本気で思っていて、時にそれを公言して憚ることのない者。


性的マイノリティは、ただ揶揄されるためだけに存在していると思っている者。


自身の学歴や経歴を、100%、自身の才能、能力、努力の結果だと信じて疑わず、学歴や職業だけで人を判断し、見下す人。


自身と価値観の違うコトを受け入れられないのはまだしも、それを侮り蔑まずにはいられない人。


自身の出自を誇りたいがために、流れている血や、使っている言語や、生まれたところの違う者や、そういう人々の生活や文化を、十把一絡げに否定し、嫌う者。


何の科学的根拠もないのに、この国の人々は、天皇を頂点に頂きつつ、その血を綿々脈々と受け継いできた、優れた神の子なのである。という世迷い言を、己が信じるのは勝手だけれど、政治や外交の世界に持ち込みたがる者ども。


夫婦は同姓であるべきだと思う己の信念を曲げず、選択的夫婦別姓を望んでいる人々を、アタマから否定しにかかる者。


被害者感情を前面に掲げて死刑制度への賛成を語る、「感情」だけが先走って「論理」に欠ける者。


事故の不安もさることながら、その稼働には被爆を前提とした作業員の存在が不可欠で、しかも、廃棄物の処理という大きな課題を抱えたままの原子力発電をそれでもまだ続けるべきだと考える者。


そんなことはどうでもよく、己の利害損得だけが大事であって、場合によっては、人を騙すことも厭わず、平気な者ども。


昔からいたのだと思う。数もそう変わらないのかも知れない。


ただ、情報化が加速して目に付くようになったし、そういう人たちの力が無視できぬほど大きくなったように思う。


水は低きに流れる。


「論理」という圧をかけない限り。


日本国憲法 第14条
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または 門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない。