当世書生気質

本日、国公立大学前期試験でしたが、


我が職場においてのみ顕著なものもあるのでしょうが、昨今の受験生について、理解に苦しむことども、あれこれ。


1.親の反対以上に、当人自身が浪人を殊更に嫌がる。
→ 「必ずどこそこに」という目的意識が低い。もう一年勉強を続ける気力がない。とりあえず早く大学生になりたい。


2.経済的事情が絡んでいなくても、自宅から通える大学しか選択しない。
→ 親との関係が良好なのは幸いなのだが、自立心や独立心が低い。


3.自宅に個室を与えられているにもかかわらず、自宅では勉強ができない。
→ 満たされ過ぎているんでしょう。土日にも学校の自習室を開放してくれという。学校もそんなニーズに応えてやるから始末に負えない。


4.センター試験は元より、私立大も国公立大も、過去問をやってみることだけが勉強だと思っている。
→ 出題傾向を掴むためにやってみるのは結構なのですけれど、誰も彼も赤本抱えて右往左往、過去問は二度と出題されないのに、それだけに拘泥する。


5.合格しても入学する気がさらさらない大学に出願する。
→ 「練習」と称しているが、取りあえず「合格」が欲しいらしい。大いなる受験料の無駄。


6.秋口に、第一志望でもない大学の公募制推薦に出願する。
→ 早々に「滑り止め」を確保したいらしい。が、そこで不合格を食らうこともまた多い。


7.「行きがけの駄賃」ぐらいに思えと口が酸っぱくなるほど言うのだが、私大の受験をセンター試験利用型をメインに考える。
→ センター利用型で合格できるなら、一般受験で十分合格に手が届く。(今年の某私大では妙な結果が出ておりますが……)


8.センター試験の結果によって志望先を変更するのは仕方ないにせよ、それまで考えていたところとは全く違う学部学科に出願する。
→ つまるところ、大学の偏差値にこだわっているだけ。本当に大学でやりたいこと、学びたいことなどなかったりする。


9.浪人してでも必ずそこにと考えているならともかく、センター試験後、ボーダーラインに遙か遠く及ばない大学学部に、浪人する気はないのに出願する。
  そして、2次試験を頑張れば突破できると信じている。
→ 妄想以外の何ものでもありません。日々、努力は報われると吹聴している人たちの責任は重い。


10.そして、そんな形で出願した大学の過去問を、自身の力で解いてみよう、理解しようとする前に、わからないから教えてくれと頼ってくる。
→ わからないなら合格できない。よね。やってみたけどわからないところがあるというならまだしも。ねぇ。


11.第一志望の国公立大学、前期入試だけでなく後期入試も実施しているのに、後期には出願しない。
→ 後期試験の前に、私立大に合格できていたら、そちらに進学したい。一刻も早く、受験勉強から解放されたい。


12.文章を書くことがキライ、或いは苦手であるにも関わらず、2次試験に「小論文」が課されている大学を受験する。
→ コツを教えて貰えば誰でもすぐに書けるようになると思っている。


13.医療系の大学など面接が課されている大学もある。練習するのは結構なのだが、「どんだけ?」というほど、日々練習を繰り返している。
→ 教えて貰いたがる生徒と教えたがる教師のコラボがそうさせる。「なぜそうするのか?」を考えさせないまま「型」だけを教え込むことも……。


14.高校を卒業したら、高校3年間の教科書副読本をすべて捨て去ってしまう。
→ 二度と開くことないんだろうな。どんだけ勉強キライやねん……。


そして、


15.国語の入試問題や小論文の課題文を読んで、「おー!すげー!誰の文章?全部読んでみたい」などようのことを思う者、ほとんどいないと思われる。
→ 要するに、文章を読むのは受験のためだけであって、読まされているだけであるから、知的好奇心が発動することがない。残念。


あなたのウチの息子さんやら娘さん、他でもない受験生のあなた、何項目に該当してますかしらん?


三つ以上だと、かなりの重症。かも……。