教員格付けランキング

我が職場、形式的には2学期制ですゆえ、
「終業式」とは言わず、一年の終わりのケジメとしての「全校集会」。


通年での単位認定しかしていないんだから、3学期制に戻せばいいようなもの。
ボクなどは、ずーっと、戻せばいいのに。と、言っているのですけれど、戻ることがない。


で、「集会」のあと、


国公私立大学でも導入している「授業評価アンケート」を実施。その集計結果は有り体に言えば、「教員格付けランキング」。


ここ数年、我が職場では毎回、「格付け」上位者の発表と、各人のランキングを示すことしていたのですけれど、
ボクは、平均値よりは「上」に位置しているのではありますけれど、


これ、百害あって一利もない。決してない。全くない。断じてない。


匿名による自由記述は、頓珍漢かつ幼稚かつ拙劣な罵詈雑言の数々。2ちゃんねる掲示板と大差ない。
日々、教室で目の前にしている生徒の中に、程度の低い若者が混在していることを知って、嫌気がさすだけ。


集計の結果示される「ランキング」は、その上位に、授業が巧みで知性教養を備えた良心的な教員もいるとはいえ、大方は、ただの「人気投票」。


なのですが、


たとえ単なる人気投票であっても、人気はないよりあった方がいいと誰しも思うわけで、
さほど悪口を浴びせられることのない、己の信じるところを信じるように仕事しているボクにしたところで、
その結果を見て、まったく気にならないかというと、うんざりしたり、やれやれと思ったりするわけだから、


経験年数の浅い若手教員が、アンケートの結果に振り回されること必然で、
振り回された結果、彼彼女らが優れた教師教員になるかというと、決してそうではないこと歴然としている。


どうやら、ようやくそのあたりのこと、管理職もわかったのか、オレのような、歯に衣着せぬ者が苦言を呈し続けたからなのか、
今回から、「ランク付け」はやらないことにするらしい。


大学から幼稚園保育園までに至る、教員職員の点数化序列化、
教科書採択にあたっての理由書の提出、微に入り細を穿つ年間計画・シラバスの作成提示、教員各人の年間目標の設定提示とその経過報告の強制、
それらを踏まえた、管理職による教職員のランク付け。


これらのことどものすべてが、この国の教育現場を、改善に向かわせるどころか、


疲弊させ、衰弱させている。


今、流行の、「グローバル教育」や「アクティブ・ラーニング」の推奨推進が、それに拍車をかけ、
進められているところの「大学入試制度改革」が、教育の荒廃を加速化し、とどめを刺すだろうこと請け合い。


なんだか、もう、こんな世界から逃げ出したい気分満載なのですけれど、
職業訓練校化が進む、大学への進学をアシストしてやるための仕事を続けること、年々歳々苦痛になってきているのですけれど、


オレの世代、60で定年を迎えても、年金が頂けるのは65から。
それまでは、何とか食いつながねば生きていけない。


内田樹氏曰く、


  「もういい加減にしろ」って。ちゃぶ台をひっくり返して頂きたい。
  日本中の学校で先生たちが一斉にちゃぶ台返しをしてくれたら、日本の未来も大学教育も救われるんじゃないかと思ってます。


オレは高校教師ですが、ひっくり返す気、満々なんですけどね……。