それでも筑摩の教科書は好きだよ

高校の頃、「現代国語」の教科書、


"筑摩書房"だったわけで、


高校の頃の教科書、まだ所有致していて、たまに読み返したりしているのですが、


今、「現代文」と科目の名称変わっておりますが、


"筑摩"の教科書は、今でも、骨のある、筋の通った、まともな人たちの書いた文章が多数収められておりますから、


高校から大学を経て教師になった今も、高等学校においては、教員自身に教科書選定の権限が与えられておりますので、


"筑摩"の教科書を選定致すことが多いのですが、


教科書には、教員用に「指導書」というものが用意されておりまして、


"筑摩"の「指導書」は、不案内無愛想であるというのも定評がございまして、


仮にも、高校の国語教師しているのなら、


教科書本文に理解しづらいところ理解できないところがあるならば、自分で研究検討致しなさいませね、参考資料は載せておいてあげますから。


という姿勢だったので、


赤やら青で書き込みのある「教員用教科書」などようのものまで出し始めている他社に比べて、


若手教員や、新しい言説・論考を追いかけることのできないロートル教師には不興を買っておりますので、


それが、採用校数を減らすことに繋がるやも知れぬ世相を反映してか、


"筑摩"さんも、かつてに比べると、潤沢な情報を詰め込んだ「指導書」に様変わりしつつあるのですが、


先日、そのご大層な「指導書」に、明らかな誤読、用例の誤りを見つけましたので、


職場に出入りされておりますところの、ずいぶん昔から馴染みのありますところの、営業担当の方に、


その旨を、申し伝えましたところ、


実は昨日も足を運んでくださったとのことで、当方、遠足の付き添いを致していて、大変申し訳なかったのですが、


改めて、本日も足を運んでくださって、


「お伺い致しましたところを報告致しまして、確かに重大な誤読、誤った解説を致しておりましたので、次年度発行のものより改訂させて頂きます」


とのお返事を頂戴致しました。


という話、決して自慢ではありませず、


オレが見つけるまで、全国津々浦々で仕事している高校国語教師の誰ひとりとして、それを指摘する者がいなかった。


という事態が、


この国の、国語教育の危機を物語っているような気が致したというお話。


誤った「指導書」の記述を鵜呑みにして、生徒らにそれをそのまんま教えてる教員、少なからずいたと思われ、


というか、「デキる教師」は、「指導書」なんてほとんど見ないので、


誤読に気づいてなかったってこともあるかもね。あるんじゃないかな。そう思いたい……。


で、生徒の皆さんに教えるのですけれど、


初めから赤やら青やらで書き込みのしてある「教員用教科書」なんてのを教室に持ち込んで授業している教師がいたら、


そいつ、「カス」ですから。


覚えておくと、いーんじゃないかな。


うきゅ。