キャットアニャンダフルライフ

前夜、痛めた腰がこれ以上悪くなるとマズイってんで、


早々にベッドに這い上がって横になると、


「なんだいおとさん、まだ宵の口ですぜ。もう寝ちまうんですかい?じゃ、仕方ねぇから、寝付くまであっしが添い寝してやりまさぁ」


と、ウチの白い次男が寄り添って来るので、


毛深い頭と顔を、撫でてやりながら眠りに落ちると、


次男、それを見届けて、去っていく。


数時間後、目覚めて、トイレに行き、戻ってくると、


「なんだいおとさん、また目が覚めたのかい?また、眠れるまで、あっしが付いててやりまさぁ」


と、再びベッドに駆け上がってくる。


で、また眠りにつくと、それを見届け降りていく。


更に、数時間後、再び目を覚まして、あんまり早寝をし過ぎたものだから、


もう一杯ひっかけてから寝直そう、と、トマトをアテに焼酎ひっかけ始めたら、


次男、先にベッドに駆け上がって、


おとさん、何やってんだい?まだ起きるには早いだろ?また寝付くまで一緒にいてやるから早くあがってきな」


と、見下ろしているので、焼酎3杯ひっかけて、ベッドに上がった。


眠りに落ちて、みたび目を覚ますと、朝6時過ぎ。


オイラが目覚めたことに気づいた次男、ととと、と駆け上がってきて、



「起きたのかい?また一緒にいてやるから、寝ていていいんですぜ」と言うのですけれど、


オイラ、仕事がございますゆえ、起き出しますと、


「何やってんだい、早く上がって来いよ」という眼差しで、朝飯食ってるオイラを見下ろしている。


行きたかねぇけど行かねばならん仕事に出掛けるべく玄関で靴履いてると、


この白い次男と、黒い三男が、「行くのか?本当に行くのか?そこはそんなに面白いのか?」と、見送りに来る。


で、腰をかばいながら、おっかなびっくり自転車こぎながら、辿り着いた週アタマの職場、


不思議なことに、授業やってると、その最中、腰の痛みを忘れている。


休み時間に戻ってくると、まだ痛む。


そしてまた授業に行くと、痛みを忘れる。戻ってくると痛む。


を、繰り返しているうちに、帰宅時、すでにしてあまり気にならなくなっていたのでありました。


仕事がリハビリになっているとは、おそるべし……。


「ただいま」と帰宅して玄関のドアを開けると、



黒い三男と、白い次男が先を競うように、奥の部屋から走ってきて、


おとさん、帰ってきなすったね。今日も今日とて、どこへ行ってたんでぃ?あっしたちと一緒に遊んでる方が楽しいんじゃねーですかい?」


と、靴を脱ぐオイラを見上げながらおっしゃる。


それはそーだ、もっともだ。と思うのですけれど、まだ働かないと、


キミたちにおまんまを食べさせてやれないのでありまする。


困ったもんだ。


そして、どーして次男たちの言葉が江戸弁なのかは、


謎(笑)