どっこい生きてる
高校時代、通学の阪急電車で、
吊革に捕まって立っている正面、座席に腰掛けた尼僧、オレを見上げておもむろに、
「あなた、死相が出ていますよ」
と、言いやがった。尼僧の白足袋踏んづけて下車したオレ、
まだ生きている。
かつての勤務校の同僚から、
「○○さん(オレの姓です)は最期、自殺しそうなタイプですよね」
と言われた。周囲から過剰に認めて貰いたがるけれど、実は人権感覚等々アンバランスな、つまらないオバハンであること見透かしていたから、
また、くだらないこと言ってるわ。と、やり過ごしたオレ、
まだ生きている。
自死ということ、今まで考えたことがない。
人はさまざまなので、苦しいこと、辛いことから逃れるために、死を選ぶ人もいないではなかろう。
でも、程度にもよるとはいえ、苦しいこと、辛いことから逃れるために死を選ぶことは、オレの場合、なさそうに思う。
仮に、自ら死を選ぶことがあるとするならば、それは、
これ以上生きていても意味がない。仕方がない。もう十分、お腹一杯。と、思うようになった時、か。
そこそこ歳を食ってから、何を今さらという感じで、自ら死を選ぶ人がいる。
川端康成、江藤淳、大友柳太朗、桂枝雀、中村とうよう、今野雄二、加藤和彦 etc etc...
まだ、意味がないとは思っていませんから、仕方ないとも思っていませんから、
たぶん、一生、そんな風に思うことないと思いますから、
予言者さんたち、残念でしたね。 ボクはしぶとく生きてます。 よ。