権利の上に眠る者

選挙権年齢の引き下げと、マイナンバー制の導入を、若者に周知徹底しなさいとのお触れがお上から出ておるようで、


内閣府総務省が拵えて高等学校に撒いている冊子


「私たちが拓く日本の未来」
「15歳から学ぶマイナンバー」


を元に、しばしレクチャー。


なんだけど、


それぞれの冊子に記載されている、選挙権年齢引き下げの理由、マイナンバー制の導入の理由、


いずれも、


少子高齢化が加速度的に進む中、高齢者を支える財政が危急の時を迎えるから。


膨れあがる高齢者層を、少なくなっていく勤労者で支える。


将来を見越して、この国の政治の舵取りを誰に任せるのかを選択する権利は若年層にもあるだろうということ。


でもって、


これから若年層が稼ぐ金は、国家がしっかり把握して、頂くものは見落とさず頂きますからねということ。


大企業や富裕層が、その資産をタックスヘイブンに移転し運用している中、
持てる者から頂かず、持たざる者から巻き上げた税金は、意味のない公共事業や租税特別措置によって消えている。


受益者負担の原則」振りかざして、公教育に資金投入することからどんどん手を引き、国公立大学の授業料、右肩上がりに値上げして、
持たざる者にとって、「教育の機会均等」名ばかりで、格差はますます広がるばかり。


午後の教室の若者たち、興味なさそうに居眠りしている者多数でしたが、


だからなのか、この国の人々、自らに与えられた「投票」という権利を行使しない者が、約半数。


丸山真男じゃないけれど、


「権利の上に眠っていると、気づいた時には与えられていたはずの権利はいつの間にか奪われているかもしれない」ことを思い知るべし。
己のアタマで、誰を、どこの政党を選ぶのか考えて、投票には行くべし。


そして、


小冊子にはきれい事しか書かれてないが、


マイナンバーの導入は、「国家権力による、この国の全住民に対する管理監視システムとして機能する」ことも思い知るべし。


2060年には、総人口1億を割り込むと想定されるこの国。
2.5人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上になると想定されるこの国。
現役世代1.2人で、1人の高齢者を支える社会になると想定されるこの国。


教室でまどろむ若者たち60歳。


未来はあるのか?