受験生より勉強してます

僅か数名の需要に応えるための、休日の自習室当番。
というヤツで、半日出勤。


してみると、


部活動指導をほぼ自身の趣味としている教員、
誰かがやらなきゃ活動できないから、と、生徒のため献身的に休日の部活動付き添いを行う教員、
が、本日は、多数出勤。


しているのなら、


そういう方々が、自習室当番というのも兼務するのが、合理的というもの、
そもそも、休日の自習室開放ってなんなのさ。休日は自宅で勉強すればよい。恵まれた環境にある者が多いんだから。


と、思うオイラが休日に出勤してやることは、卒業したけれどまだ受験を睨んでいる連中の、「小論文」の添削指導。
これって国語教師としてのオレの仕事なのかね?ほとんどボランティアですやん。な、「小論文地獄」、未だ継続中。
このところ、寝ている間も、評論読んで要約している夢を見て、咳き込んで目覚めるようになってきた……(爆)


国公立大、後期入試は12日。
前期で合格していればしめしめだが、合格発表はまだ先のところが多いので、当事者たちにとっては追い込み。


なんだけど、


小論文を課すような大学、それぞれに、高校生の能力を買いかぶっている。
大学学部によって差はあれど、相当に高いレベルの文章読解力と、要約力と、思考力と、文章表現力を短時間の中で要求している。
ほとんど大抵の場合、高校生には無理難題。そちらの大学、卒業していく学生でもまともなこと書ける者少ないと思いますけど?というレベル。


で、ここひと月ほど、いろんな大学学部の課題本文、読み倒して個々人に解説アドバイスしているのですけれど、


勿論、オイラにはオイラの守備範囲というものがあるわけで、


文芸論やら文化論、芸術論ならば、興味関心も高いし、それなりの知識もあるのですけれど、


国際競争力をつけるため、日本企業は今後、何をしていくべきだと思いますか? とか、
地域経済活性化の起爆剤として、あなたはどんなアイデアを持っていますか?


などようのことについては、興味関心が低いわけですし、


迷路にネズミを走らせて、その短期記憶や学習能力を測定したデータを読み取らせたり、
猛禽類の補食行動に関する、エリア別データからわかることを述べさせたり、


などようのことは、どちらかというと興味関心の対象内なのですが、
その実験を行うために、脳神経経路の一部を遮断したネズミを用意して……、などようの文脈にさしかかると、
たいしたことがわかるでもない実験のために、ネズミさんの脳みそ勝手にいじくるなよ、ボケ!


と、思って悲しくなりますわけで、


でもって、


昨今の社会の趨勢と、それに伴って生じている教育現場における諸問題、などようの話になると、
アタクシ的には、俄然、語ること語れることが、仕事柄、山のようにあるのですけれど、


和歌山大学が、後期日程を受験する者に課している小論文、教育学部と経済学部、過去数年分の問題に目を通しているのですけれど、


出題している教育学部のセンセ、


憲法改定への流れやら、経済格差の拡大が教育の機会均等を損なっていることやら、


毎年のように、怒っておいでです。真っ当な方のように思われます。
調べてみたら、あー、この方かも?という方がおいででしたが、どうやら退官されたようで、


今年の問題は、傾向が変わるかもですね。


あと、今日読んだ大阪市立大学文学部、後期日程小論文の課題文で、


人類の祖先は、農耕期に入る以前の狩猟期において、戦闘を行った形跡がないことが判明している。
ということを、初めて知りました。不覚。


アーサー・C・クラークキューブリックが『2001年宇宙の旅』で描いていた、
二足歩行することで両手が自由になった人類の祖先は、狩猟のための武器を作り利用することとなり、戦闘の歴史に入った。


というのは、事実誤認なのですね。


と、いうわけで、


この節、頭を最も鍛えられているのは、生徒ではなく、オレなのではないかと。


なんでやねん……。