当たり前

物心ついた時のテレビはモノクロだった。カラーになったのは中学に上がってからだった。


小学校に上がるまで、家に風呂はなかった。銭湯に通ってた。
電話も、小学校になってから。黒電話の受話器から聞こえる声が恐ろしかった。


エアコンは中学校高学年の頃にはあったけれど、電気代を気にするビンボー所帯だったので、余程の暑さでないとつけなかった。


風呂は、夏でも毎日入るわけではなかったし、
夏はエアコンのないところで、扇風機の前に座って、冬場は、すきま風が入ってくる部屋で、こたつに潜り込んで寒さに震えながら、
勉強していた。(中学以降はテスト前以外はほとんどしない、馬鹿野郎でしたが(爆))


だから、


毎日、朝晩、シャワー浴びないと気持ちが悪いとか、
空調完備の、テレビやPCのある部屋で暮らしていながら、自室だとスマホいじくってしまうし勉強に集中できないです。


と、ガッコや塾や予備校の自習室に通うティーンズには、


途方もない、どうしようもない、違和感を覚えるのです。


んなこと言っても詮ないことなのですが、


現状を当たり前だと思って憚ることのないその心性が、
他者を慮る想像力や、自身を見つめる洞察力を損なっているように思えてならないのです。


「当たり前」って何?


ということを疑いながら生きることが、大事なのだと思うのですけれど、


それが、


なかなかに、


難しい……。