赤い月

皆既月食


月が我々のいる地球の影に隠される様を眺めていて、


でかい宇宙の中の、ちっぽけなちいさい玉の上に自分たちがいることを思う。


南半球にいる相方の友人も同じように、影に隠れ赤く染まった月を見ていると聞いて、


ボクたちのいう世界というもののちいささを思う。


そんなちいさい世界の中で、


さらにちいさい、国や、民族や、宗教といった違いで、


肌の色や、髪の色や、目の色の違いで、


互いを嫌悪し、憎み合い、罵り合い、呪い合う必要がどこにあるのか、


ニンゲンというやつのくだらなさを、


思う。