隠者なのです

入院してわかったことあれこれ。


心身に不調を来して、自分のことで一杯いっぱいになると、世の中や他人様のことは後回しになっちまう。


というのは、致し方ないとして、


世間は、通常平常の生活をしながら、自分のことだけで一杯いっぱいの人々で溢れているということ。


有り体に言えば、自分とその身近な者が幸せならそれでいい。
と、思っている人々が想像以上に多いということ。


それって、根本的なところで心が壊れているんじゃないの?
と、ボクは思うのだが、当人に自覚がない限りどうしようもない。


人の痛みをどう理解するか?


というのが、文学だったり哲学だったりの主題なのですが、


文学や哲学を必要とする人、少くて当然ですよね。


そして、


不自由を強いられる入院生活、


思っていた以上に、どうやらボクにはそれほど不自由ではなさそうで、


病の快癒回復についての不安を除けば、結構快適(笑)


どこそこに行きたい、何なにが食べたい、あれがしたいこれがしたい、


という欲求欲望煩悩が少ないのか、


鴨長明兼好法師に共感できるだけのことあって、


寝ることのできる場所あって、三度の食に不自由なければ、


ま、ぼつぼつ幸せと感じられる。


元々見ないテレビを見たいとも思わないし、さほど暇で暇で仕方ないとも思わない。


どうやら隠者の素質がありそうである。


かといって、簡単に隠者として暮らしていけるわけもなく、現世に戻らねばならんのですが、


どうやら、何とか、術後順調であるらしく、週明けに退院のお許しが出た。


かなり落ちるだろうと言われていた視力も、それ程落ちずに済むかもという話。
ラッキーでしたね。と、ドクター。

まだ、右目には縫い付けた糸が入ったままなので、しばらくは眼帯つけて、安静にしてなきゃならんのですが、
左の目も、レーザーで焼いて予防的治療をせにゃならんのですが、


週明けには現世に復帰復活いたします。


世捨て人になるにはまだ早いので、


とっとと戻って、もう暫くは転がり続ける所存。


ご心配をお掛け致しました皆様、ありがとうございました。


そんな、厭世バンドマンの入院生活、


あと、二日。