一年の計は元旦にありやなしや

実家だ帰省だという他人様の報告をあれやこれやで目にする正月、


すでにして親もなければ兄弟姉妹もおりませぬアタクシ、帰る実家とてないわけでありますが、
寂しいかというと、それはそれ、却ってあっさりしているといえばいえるわけで、


淡々とした元旦。凛とした元旦。閑とした元旦。


相方がおりませなんだら天涯孤独、どこでくたばっても「孤独死」とされそうな身の上なのでありますが、


人生の伴侶にして、バンドメイトであるところの我が相方、


元旦の朝から、介護独居老人と暮らす老犬を散歩に連れにいくのだと、往復3時間の道のりを出掛けて行かはった。
親戚でもなんでもないけれど、繋がれたまま日々を送っている老犬がかわいそうだというただそれだけで。


老人の子供家族が隣駅に住まっているらしいが、老犬はどうやら彼らにとってのお荷物。
通いのヘルパーさんの善意に甘えて、ワンコの世話も任せっきり。のよーである。
仕方ないこととは申せ、人の情とはそんなもの。そして、さすがのヘルパーさんも、散歩までは致してやれぬ。


相方の友人がその老人の娘であるわけだが、彼女は今は赤道の南、本邦とは季節が裏返しの地に住まっておる。
彼女自身が、海の向こうに連れてってやることを、元旦に乞い願うのでありました。


人よりもワンコとニャンコが大事と思いたい。そんな奇特な人物が、我が相方であることが面白い正月元旦。


アタクシは、傷めた腰いたわりながらニャンコ愛でつつ、新聞や届いた賀状眺める。


テレビ見ないから、番組特集の別紙別冊はまるごと不要であるし、
闇雲に分厚いだけで、特に興味関心のない芸能ネタとスポーツネタが大半、臭い物には蓋の風情。
グローバル化、英語御大切、頑張れニッポン、なプロパガンダのオンパレード。
の一方で、バランス図るためなのか、地方の力を持ち上げる姿勢に、どっちやねん……。


職場の若い衆から来た賀状、
一様に、「よろしくご指導下さい」などようのこと書いてあるのですけんど、
アタクシ、吹いている風がどちらを向いているか、どんなニオイのする風なのかを判断する力はそれなりに備わっておりますが、
吹いている風に身を任せる術につきましては、鞭撻指導致すようなこと、なぁんにもありゃ致しませんので、
そこんとこ、よろしくご理解くださいませであります。


そんな中、手書きのメッセージは覚えのある知人の手によるものだが、当の本人でなく夫人名義のものあって、
そのメッセージに、「仕事ガンバリましょう!! BBQしたいネ!!」とあるのだけれど、
30年会ってないオイラへのコトバとは到底思えませず、苦笑。オイラへの真のメッセージが何だったのかは、謎……。
アタクシも、そういう頓珍漢な賀状、誰かに送りつけたんじゃないかと、ちと不安になった。


でもって、ワンちゃんの散歩から戻ってきた相方が拵えた雑煮やら黒豆やら煮物やら頂きながら、


動きつつある別バンド、リーダーさまが、音源録ろうと言うておりますじゃによって、エレキなギターの音色を、あーじゃこーじゃと検証研究。


50代男性が、正月元旦からやることではないよーな気もするが、


それでいーのだ。


今年は、モンビジに合わせて、別バンドも転がり始めるのである。


転がってなんぼの人生、転がった先に何があるかはわからんけれど、


それでいーのだ。