小津の魔法使い

小津安二郎、生誕110年なのだそーである。没後50年なのだそーである。
彼は自らの60歳の誕生日に、この世を去ったのである。
だもんで今日は、"Google"の検索ページのイラストが、『東京物語』になっておった。


かつて、レーザーディスクという夢の板が登場した頃、映画1作品は1万円前後の値段で売られていたのでありまして、
黒澤映画の日本版が出ていない頃、英語字幕の入った逆輸入盤を探し求めたりしていたアタクシ、


小津については、「戦後松竹作品全集 BOX」というのが出された時に、えいやっ!と清水の舞台から飛び降りたつもりで購入したのでしたが、
今、調べてみたら、1995.12.10発売で、定価が56400円(税別)でした……。
全12作品所収につき、1作品4700円見当。


それが今、9作品を収めたDVDが、1980円……。


今の世の中はどうにも好きになれないけれど、映画好きにはありがたかろう。
さぞや、多くの人が観ているだろう。


と、思うのは実は浅はかで、


12作品5万円強の頃と、9作品2千円弱の今も、観ている人の層や数は95年当時とそう変わらないような気もする。


昔は良かったなどようの安直な懐古趣味に走ったり浸ったりするつもりは毛頭無いのですけれど、
小津の映画の中で描かれたものが、日本であり、日本人なのだとアタクシは思っております。


『晩春』、『麦秋』、そして『東京物語


あぁ、また観たくなってきた。LDプレーヤー、まだ動いてくれるかしらん……。