オレを拵えた夏

「教育力の向上」とかなんとか、偉そうなことをほざきこきながら、
団塊の世代、大量定年退職の折、大量に採用せんければならんのに、
あまりの労働条件の劣悪ぶりに、志願者が集まらない本府の教員採用試験、


理科系教科志望の大学新卒者については、一次試験(一般教養&教職教養)免除、
文化系教科志望の大学新卒者についても、大学教員の推薦があれば、一次試験免除の大サービス。


していても、前年度より志願者数は減少しているそうで……、
ますます劣化の一途を辿るしかない教育現場ではありますが……、


もうすぐ生徒らは「夏休み」。


部活動に明け暮れる夏休み、出されていても、なかなか宿題は手に付かない夏休み、
3年生になると、「夏の過ごし方が合否を決める」などようの、かけられなくてもよい圧力をかけられる夏休み。


で、思い出すこと。


高校1年の夏休み前、ちびちび貯め込んだ小遣い3万円。
明治以降の文学作品、ガッコの副読本「国語便覧」ちゅやつのページをめくりながら、
新潮、角川、岩波、その他もろもろの文庫本で手に入りそうなもの見繕って100冊、
本屋の息子の同級生に頼んで、割り引いてもらって、えいやっと購入した。


でもって、夏休みの間にそのうち30冊を読んだ。
残りは、卒業するまでに読んだ。


で、現役で大学には通らず、浪人した。浪人してから焦って勉強した(爆)。


という、世間的にはダメダメなヤツだったけれど、ビンボーな親を、さらにビンボーにした親不孝モンだったけれど、


その頃読んだ、小説やら詩やらその他のものども、
その頃観た、(ほとんどはテレビだったけど)映画の数々、
その頃聴いた、音楽のあれこれ、


が、今のオイラを拵えたことは間違いなく、


拵えられたオイラは別に、何の力もない、いてもいなくても大勢に影響のない、取るに足りないニンゲンではありますけれど、


あの頃、


あれを読んでいてよかったな。あれを観ていてよかったな。あれを聴いていてよかったな。


というのは、実感としてあるわけで、


あの時、


あれを読まず、あれを観ず、あれを聴いていなかったら、


今よりも、社会的ステータスの高い、小金持ち(爆)になっていたかもしれんのですが、


それはそれで、


原発があろうがなかろうが、どうでもよかったりする、
憲法が変えられようが変えられまいが、どうでもよかったりする、
自分のことと自分の周囲のことだけしか目に入らない関心のない、
くだらないヤツに成り下がっていたかもしれんので、


今は、しがない教育コームインにして、バンドマンですけんども、


少なくとも、イヤなヤツにはならずにすんでいる。つもり。


若者たちへ、


夏を、


与えられ、押し付けられた勉強と、言われるままにやってる部活だけで過ごしたら、


アンタというニンゲンは、できません。


ま、アンタなんてのは、ない方が幸せなのかもしれませんのですけれど……。


読んで、観て、聴こうぜ。