時は流れ、そして、止まっている

朝日新聞、土曜の朝刊に折り込まれている「be」
赤版と青版あるけれど、赤の方のメインの特集は現在ただ今「映画の旅人」
本邦の名画についての製作裏話などようのあれこれ。


で、本日、取り上げられていた映画は『マルサの女』。


なのだが、


主演の宮本信子さんが役作りのため税務署の調査官に指南を受けていたというくだり、
「27年前の夏……」とあって、「ん?んん?」
映画『マルサの女』が一般公開されたのは、1987年。ということは、26年前……。


ついこの間のことと思っていたこの映画が公開されたのが、26年前。
製作に取りかかっていたのが、27年前……。


オイラが生まれた年から27年遡ると、そこは昭和ヒト桁。
27年の時の流れは、相当に大きい。


なのに、27年の時の流れが、自分自身にあっては、ついこの間。
87年というのは、振り返れば、仕事始めて2年目。
『マルサ』の製作が進んでいたのは、オイラが仕事を始めたまさにその年。


どうやら、


この仕事をし始めて以来、
入れ替わり立ち替わり、通り過ぎていく十代を眺めながら、
オイラの時間は、オイラの中で止まっているのかも知れない。


オイラの心の時間は、1986年で止まったまんま、そのまんま。
それが、幸せなことなのか、不幸なことなのかは、わからないけれど……。


伊丹十三、亡くなってすでに16年。


ふぅむ……。