わきゃーま
大多数の卒業生が四年制大学に進学するというガッコに異動して2年目。
十年のブランクを挟んで、進学校と呼ばれるガッコの担任になって思うこと。
どんだけ、どこまで、手取り足取り、世話焼きますのん?
大学は大学で、オープンキャンパスやら学校説明会やらに熱心で、
教授も准教授も、自身の研究のことだけ考えて、論文書いてりゃ良かった昔とは違って、あっちやこっちへ営業に走らされているようなのですが、
高校は高校で、入学間もない1年生に、大学進学への意欲向上だか何だか、
夏休み中のオープンキャンパスへの参加を促したり、学校行事としての大学見学やらが組まれていたり致しておりまして、
本日は、三々五々、
希望やら抽選やらで決定した、近隣近郊、中にはちょいと遠方の大学への見学会。
バスに揺られて遠足気分の生徒らと、オイラは、「わきゃーま大学」に付き添い。
生徒らが何をどう思ったか知らないけれど、オイラが痛感したのは、
高校ばかりでなく、大学も、
「ブルータス、お前もか?」
状態に成っている、成り下がっているということ。
昨今、よく耳にする「キャリア教育」の充実。要は、就職支援・資格取得支援なんだけど、
それが何かと尋ねたら、
大学の中で、就職試験・公務員採用試験に向けての「模擬面接」やら「試験対策講座」なんちゅのを行っているということ。
充実しているという「図書館」には、専属教員が常駐していて、自身の研究内容を相談すると、
「これこれこういう本があるから読んでみるといいよ」と参考図書を示してくれるコーナーがあります。なんですと。
あ〜は〜……。
一方で、
「クリエ」と銘打った、ソーラーカー拵えたり、レスキューロボット拵えたりしている、
学生主体での「創造空間」を売りにしているよーだったのですけれど、
それって、要は、ちょっと珍しい「クラブ活動」ということのようで。
大学の「クラブ活動」が生徒主体なのは当たり前ですけんども、そこにも実は、大学職員の影がちらほら……。
ま、オイラが言うのも何ですが、
そら、昨今の若者、あかんよーになりますわ。
あかんよーになるよーな仕組みの中で泳がせておりますもの。
なんだけど、
「わきゃーま大」は、緑に囲まれた清閑な佇まいの中、
この上なく美麗で贅沢な施設設備建物を備えた大学でございました。
でもって、今回、ウチのガッコの生徒の対応をして下さった職員の方は、
アタリが柔らかく、爽やかでソツのない、素敵な方でありました。
暑い中、ありがとーございましたです。
そして、これは改めて自分自身のこと振り返って思ったのは、
私立だと文系理系で学費の異なるところもあるけれど、文系理系で同じ学費の国公立大学であるなら尚のこと、
オイラは文系でしたけんども、どうせ大学行くのなら、理系にすれば良かったな。と。
文系の学問ってのは、突き詰めれば、そこに書物さえあれば自分で突き詰められる。
あえて行くのは、「○○大卒」というブランドの看板、頂きに行くだけという感じ。
だけんども、理系ってのは、施設設備のないところで、何かをするには限界がある。
ま、理系エリートはエリートで、
コミュニケーション能力が欠落した者やら、極めて偏った世界観の持ち主やら、
他者に対する同情やら共感やらちゅのができない連中もおりますから、
それはそれでウザいんですが、
昨今は、文系であっても、その手の輩、目につきますから、
大学行くなら理系でしたな。文系なら文系で、芸術系とか。
今気付いても、後の祭り……。