ざっくり言うと

ノーベル賞といえば、


本邦の村上春樹氏が受賞するとかしないとか、巷間喧しいのでありますが、
村上春樹氏の作品は、1979年6月に群像新人賞を受賞して『群像』に掲載された時からの愛読者のひとりなのではありますが、


夏目漱石が、ざっくり言うと、その作品全編を通じて「エゴイズム」というものの正体を暴こうとしていたように、


村上春樹氏の作品は、過去から現在に至るまでずっと、「暴力装置としての集団の中で個人はどう生きるか」を描き続けていると思うのですが、
そして、昨今は、そういう意図とは関わりなく、ファンタジー小説の亜種として読んでいる人も多いようですが、


ノーベル賞を貰おうが貰うまいが、彼の作家としての価値は上がりも下がりもしないでありましょう。
そして、彼もまた大江氏と同様、ノーベル賞を貰っても、「文化勲章」は辞退するでありましょう。
そして、ナショナリストたちが憤慨するでありましょう(笑)。


で、よその国の人なので、ノーベル賞がどうのこうの言われているのかいないのかすら知らないのではありますが、


現存する作家で、誰の作品がイチバン好きですか?と、問われたら、


ポール・オースターと答えます。


翻訳待ち切れず、ペーパーバック買い求めても、現在の自身の英語力では読みこなせないのが情けなく、
オースター読むために、英語の勉強し直したろかしらん?と、思うくらい。


『ブルックリン・フォーリーズ』柴田元幸氏の翻訳で、ようやっと読み始めましたのですが、
この人の作品は、やはり、筋が通ってます。しゅーっとな。


ざっくり言うと、


「人生というのは儚く虚しいけれど、運命とか偶然やらに振り回されず生きることは困難だけれど、どんな人生もそれなりに素敵だ」


というお話。


人の数だけ人生はある。富める者にも貧しき者にも、才ある者にも才なき者にも、死だけは平等に訪れる。