スローなライフにしてくれ

浮世離れした客ふたり。


落ち着きのない針金みたいなのと、骨太で眉毛の太いの。
家事手伝い無職なのと、早朝から夜まで働きづめのパン工房職人見習い。


世間じゃ、


子供がそろそろ小学校で、とか、中間管理職はつらいわ。とか、言うておる頃合いに、
或いは、ちょいと遅まきに、
おぉ、キミもようやく結婚か、幸せな家庭を。など、言われておる頃合いに、


サラリーマンなんかやってられまへんわ。
やっぱり基本は農業。目指すは完全自給自足のコミュニティーやねぇ。


と、ゆくゆくは「吉里吉里国」よろしく、独立宣言をも目論んでいそうな怪しくも真っ当な青年、ぼつぼつ中年。


コヤツら、いわゆるひとつの「教え子」というヤツなのだが、
「国家・社会に貢献する気概に満ち、国際人として様々な分野で活躍するリーダーとなる人材の育成をめざす」などようの恥ずかしいことを真顔で謳っているガッコを出たのであるが、


どこで、何が、どう間違ったのが、こーゆー人たちになり申した。


そーゆーガッコで、オイラに出会ったことが、カンケーしていないではなさそうなのだが、
オイラに出会った上で、普通の社会人(って何?)の顔をして活躍している者もおりますゆえ、
そちらの方が、数としては多いですゆえ、


たぶん、オレのせいでは、ない。と、思う。


のだが、ウチにやって来るのは、こーゆー連中ばかりなり。


たぶん、オレのせいでは、ない。と、思う。