寓話
相方が幼い頃に読んでいた「童話」本を引っ張り出してきたので、
読んでいた。
人口に膾炙している「金の斧銀の斧」、「アリとキリギリス」、「北風と太陽」、「よくばり子犬(川面に映った自分の姿に向かって吠えて、くわえてた肉を落とすお話ね)」、「うそつき子ども(オオカミが来た!です)」、「ウサギとカメ」などの他にも知らない話がいろいろありますのな。と、読んだ。
最後の解説読んでいて、
浅学にして、「イソップ」という人物が、紀元前6世紀のギリシャの人であることを知った。でもって、奴隷であったことも、最後はデルフォイで彼の語りの才能を妬んだ市民たちから惨殺されたらしいということも初めて知った。
「イソップ」の教訓に、
「強い者には逆らわず従え」とか、「どの主人も結局はみな同じだ」という見立てがあるのは、彼が奴隷だったからだろうと書いてあった。
紀元前の昔から、人は、怨嗟や嫉妬や我執にまみれて生きてきた。
物語を紡ぎ、絵を描き、音楽を奏でても、人はなかなか自由闊達に生きられぬ。
『新美南吉』の世界は、
そんな人間の抱える欺瞞や不信を描いて、やはり秀逸。