今、起こっていること

思えば、


完全週休2日制になったのがまずかった。
土曜の分の皺寄せが、他の曜日に来た。
子を持つ親たちの不安や不満が少しずつ膨らんで行った。


年間を通じての授業計画を提出しろと言い出した。
生徒に授業担当教員の評価をさせるようになった。
年度当初に、教員自らに可能な限り、数値で計れるような目標設定をさせることを義務づけ、進捗状況を報告することを義務づけた。


それを元にして、管理職が各教員を評価するようになった。Sとか、Aとか、Bとか、Cとか……。


その評価に基づいて、翌年の給与を上げ下げするようになった。


Sの評価はできるだけつけないようになっており、S評価の教員は実質ほとんど存在せず、毎年Aの評価を受けている教員であっても、手にする給与は年々下がり続けるようになった。過半数を超える教員はB評価になっている。


タイムカードが導入されたが、退勤時間は記録されず、何時間超過勤務しようが残業手当はつかない。


そんな中、教員免許の更新制度が導入された。3万円強の受講料と交通費を自費で負担させ、長期休業中に30時間の愚にもつかない講習を受けることを義務づけた。


そして、


式典における国歌斉唱を徹底するため、全教職員の座席を指定し、その動向を報告することを管理職に指示するようになるらしい。


管理職が教員に対して行う評価、一定数に必ずD評価をつけることを指示しようとしているらしい。D評価が数年続いた教員は馘首されるらしい。


百歩譲って、ここ十数年に教育現場に導入されて来たことのすべてに意味がないとは言わない。が、その大半は、教員に対する監視と管理の強化に他ならない。


そこで仕事をする者にとって息苦しい場所が、そこで学ぶ生徒たちにとって風通しの良い場所であるはずがない。


そして、そのくだらなさに対して声を上げる者もまた、ほとんどいなくなった。声を上げる者も、誰に、どこに対して声を上げればいいのかすら見えなくなりつつある。


くだらない命令にただうなづくだけのニンゲンから、子供らが若者が、何を教わるのか?


戦前戦中と同じことを繰り返そうとしていることに気づいている者は、なぜか、まだ少ない。


みな、貧しい者が富める者のために犠牲になる世の中にしたがっているらしい。


この国の、社会の未来は、果てしなく暗い。