生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言
今、後悔していることがあるとすれば、
それは、役者になろうと思いかけたのに、辞めてしまったこと。
若い頃、映画と言えば「ATG」だった。
もはや知らん人も多いだろ、"Art Theatre Guild"。
非商業主義的な芸術作品を製作・配給するという趣旨を掲げて活動した日本の映画会社。
低予算(1千万円)による映画制作、若手の監督を起用。大衆に迎合せず骨太。だった。
そういう映画を撮りたいと思った。そんな映画に出たいと思った。
どの映画で最初に彼の姿を見たのか覚えてないが、
作品として一級品とは思わない商業映画、『君よ憤怒の河を渉れ』での警部役がむしろ強く印象に残っている。
役者といえば顔を思い出す人のひとりだった。
やがて、『ツィゴイネルワイゼン』に『陽炎座』。
近いところで、『父と暮らせば』。
舞台より、スクリーンで生きる役者さんだった。
NHK広島局制作のドラマ『火の魚』見た時に、
いい枯れ方をしているなと思ったのだが……、
死なない人はいない。
原田芳雄氏逝く。享年71。早過ぎる。