実習生
職場に「教育実習生」なる者どもがやって来ている。
というと、フレッシュなメンズ&ウイメンズを想像するかもしらんが、
結構、そうでもない方々もいらっしゃる。教職目指して一念発起という感じなのだろーか?
にしても、
卒業生で母校に戻ってきた者はともかく、ウチの職場で実習ってのはなかなかに微妙だと思う。
己自身のこと振り返るに、
教職志望ってわけでもなかったのに、「教育実習」でも行ってみるべ。
と、出かけた先は、母校ではなく、大学が適当に割り当てた、まったく縁もゆかりもない高校。
卒業生の大半が四年制大学に進学するけれど、「超」のつく進学校ではない都市郊外に位置する普通の共学校。
ここが、意外にも「面白かった」。
「高校教師」って、思いの外楽しいんでねーの?と、思ってしまった。
のが、運の尽き。
提出してりゃ卒業していた卒論お蔵入りして、在学期間1年延ばして、不足の単位補充して免許取得した。
で、たいした勉強もせず受験した採用試験、通ってしもうた。
そして、穀潰しのひねくれ者のキリギリスが、先生と呼ばれる間違い続けて、今に至る。
が、教育実習に行ってらっしゃいと言われたその先が、今の職場だったら、
まず間違いなく、
「高校教師」って楽しいんでないの?とは思っていなかったと思われ、
教員免許など取得していなかったと思われ、
今のこの職場で働いていることもなかったと思われ、
苦節十有余年もの末にやっと正教員になった方々、なろうとしている方々には申し訳ないけれど、
そんな感じ……。
実習だけだと、見えないところも多いし、責任のある仕事があるわけでないから、それなりに楽しいのかもしれないけれど、ウチで実習して、それでいてなおかつ教師になろうなりたいと思う人々のことは素直にスゴイと思います。はい。
実業高校皮切りに、その後、学区トップの進学校を経て、今のガッコに至るオレ、
今までで教育実習の2週間がいちばん面白かったわ(笑)。
せめて、あの時が面白くなかったら、人生違ってましたのだが……。
ま、違っているのがいーかどーかは誰にもわかりませんが。
今、漱石の『こころ』読んでいて、「ツボ」心得ているので、
オレなりに相当イケてる授業講義やっているという自信あるのだが、
ハナから講義に出てこないヤツ、教科書持ってないヤツ、途中で離脱するヤツ、コールしてもレスポンスのないヤツ、座ってるだけで人の話なぁんにも聴いてないヤツ仰山で、
そう言えば、かつての教育実習の時の「日誌」に、
「聴く耳持たない客に怒って演奏を止めたミンガスに、ドルフィーが耳元に近寄って「ほら、あそこに聴いている人がいますから演奏を続けましょう」と囁いた」
という話を書いたこと思い出した。
その時の指導担当だった教師がコメントに、
「生徒とライブバーの客を同一視するのはどうかと思います」と書いていたのもまた思い出したが、
25年の時を経て、
授業とライブは、やっぱりちょっと似ているぞ。
と、思う。
が、
お金貰ってやってる授業より、
お金払ってやってる(泣)ライブの方が数段楽しいのは、
なぜ?