ダメ宣言

先日、


地下鉄の"au LISMO"の吊り広告の、


小林克也見て、ギョッとした。


生きてりゃ83歳だが、62で彼岸に逝ったオヤジに似ていた。


似ていると思ったの、世界でオレだけだと思うが、似ていた。


オヤジは、小林克也には似ても似つかぬ、ダメオヤジで、


腰の据わらぬオトコだった。


戦時中、勉強嫌いで中途半端なガッコ、中途半端にリタイヤして、予科練に入ったはいいが、


飛行機乗りにもなれず、中途半端な年齢ゆえに、特攻隊員として突撃することも、人間魚雷で爆裂することもなく、


戦後、屋台のラーメン屋などやってたのに、どさくさに紛れてポリ公になったはいいが長続きせず、


その後の生涯を、ちいさな町工場の旋盤工・溶接工として鬱々と過ごし、


アル中で糖尿のダブルパンチの中、肝硬変も患って、


食道静脈瘤爆裂させて、リウマチズム抱えて苦しんでいる女房残してさっさとあっちに逝った。


その息子であるオレ、


血は争えないもので、根気がない。


好きだった野球、やってみたが、チームプレイという名の縦社会うざくてリタイヤ。


音楽やりたくて入ったブラスバンドも、偉ぶって指示指図したがる先輩の胸ぐら掴んでリタイヤ。


映画制作、ビンボー学生には金かかり過ぎるってんでリタイヤ。


ジャズやろーと思ったが、しちめんどくさい音楽理論の前に、あえなくリタイヤ。


写真に活路見出して、強引に個展まで開いたが、なんとなくリタイヤ。


そんなダメ人間。


ダメ人間なのに、


今の商売仕事、すでに26年目。


ダメ人間なのに、


いい歳をしてまたぞろ始めた音楽、すでにして7年。


その道一筋に生きてきたヤツなら30年でもよさそうなのに7年。


7年やってても、


いいねいいよと思ってくれる人、それほどいるわけでない。


なんだけど、


今後、商売仕事リタイヤすることあっても、


くたばるまで、バンドマン、リタイヤすることはなさそな感じ。


自他共に認めるダメ人間で生涯終えそうだが、


公明正大、清廉潔白なダメ人間として、


生きながらブルースに葬られることを、


誓うほどのことでもないですけどにゃ……。