遠いところ

揺れた。ゆらゆらと。


膝の上のニャンコ、野性の勘というもの持ち合わせていないのか、揺れる前も後もすやすや寝続けている。
PC前に座っていたから、ネットのニュース見る。
地震そのものの情報よりも、津波警報の文字が赤く禍々しく踊っている。
テレビをつける。宮城県沖で震度7


「7」!?


阪神淡路の時よりでかいのか?と、思いながらも、


続報詳報、ただちにあるわけでなく、ライブ会場に向かう時間が来たので出発。


走行中の車内で、テレビ・ラジオ見聞きする習慣なく、高速に乗ってもいつもと変わらずクルマは流れている。


降水確率0%の予報の筈が、怪しい雲がそこかしこに現れてスポット的に強い雨。これも地震と関係あるのかしらん?


と言いながら、いつものようにハコに到着。


スタッフも出演者も揃っており、いつものようにリハを終え、お客さんが見せてくれた京都新聞の号外で被害の甚大さ知ったが、いつものように本番。


本番終えて、いつものように戻って来た。


ポストから夕刊取り出して眺めたが、地震の件は夕刊の出稿に間に合わなかったと見え、一言もない。


テレビのスイッチ入れて、驚いた。


被害の大きさにも驚いたが、


災害の起こっているその場所から遠く、情報からも遠いところにいると、多くの者が当たり前に知っていることを知らないでいるのだというそのことに驚いた。


遠いところで奏で、奏でられた音楽は、


楽しく、そして、素敵だった。